2021 Fiscal Year Research-status Report
退院後心不全患者の包括的管理を可能とする革新的遠隔心臓リハビリテーションの確立
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19K19900
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
三浦 弘之 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医師 (70816834)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 心臓リハビリテーション / 遠隔医療 / 心不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
心不全の再入院を抑制するために、疾患管理を含めた外来心臓リハビリテーションを行う事は重要である。一方で、頻回の通院を前提とする従来の通院型心臓リハビリテーションは高齢心不全患者には容易ではない。そこで、疾患管理も可能とする遠隔心臓リハビリテーションの実現が急務と考えられる。遠隔医療として疾患管理を行うための研究として、申請者は、昨年度までの研究で運動療法中の心拍数や換気量に注意することで、心不全増悪の有無や運動耐容能の改善の有無を推定することが可能であることを明らかにした。 それをもとに開始した前向き介入研究「高齢心不全患者に対する遠隔心臓リハビリテーションの有用性の検証試験」については、本年度12月31日に観察期間を終了した。遠隔リハビリシステム更新にともなう除外基準追加やCOVID19流行の影響などにより症例の組み込みは予定を下回る5名の組み込みにとどまる結果となった。しかしながら、COVID19流行により、通院型心臓リハビリテーションは全国的に一部の制限を余儀なくされる状況であったなかで、遠隔心臓リハビリテーションの実施自体は可能であり、COVID19終息が見えない中で、遠隔心臓リハビリテーションは高齢者のみならず若年者にとっても期待の持てる選択肢であると考えられた。また、高齢者に対してICTを用いた遠隔心臓リハビリテーションを実施するうえで懸念された問題は、システムの操作が問題なく行えるかどうかといった点であったが、今回の組み入れ患者については、アプリの操作自体は大きな問題とはならなかった。今後、個々の症例を詳細に検討し、報告予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
遠隔リハビリシステム更新にともなう除外基準追加やCOVID19流行の影響(運動負荷試験の制限を含む)などにより症例の組み込みに難渋した。そのため、研究期間中、選択除外基準の緩和行い、症例登録期間を延長することで、組み入れ症例数の確保を目指した。そのため、予定より前向き介入研究の進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
組み入れ症例が想定を下回り、予定通りの解析が困難となったため、遠隔心臓リハビリテーションの有効性、実現可能性について、個々の症例を個別に検討し、ケースシリーズ報告として報告をこなう予定である。
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Causes of Carryover |
前向き介入研究「高齢心不全患者に対する遠隔心臓リハビリテーションの有用性の検証試験」の進捗が遅れたため、予定していた成果報告・英文校正・論文投稿費などの支出も遅れている。次年度論文投稿予定であり、その際に支出予定である。
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