2022 Fiscal Year Research-status Report
退院後心不全患者の包括的管理を可能とする革新的遠隔心臓リハビリテーションの確立
Project/Area Number |
19K19900
|
Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
三浦 弘之 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医師 (70816834)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 心臓リハビリテーション / 遠隔医療 / 心不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
外来で継続して行う心臓リハビリテーションは、疾患管理も行うことができるため、運動耐容能の向上のみならず、心不全の再入院抑制のために重要である。しかしながら、頻回の通院を前提とする従来の通院型心臓リハビリテーションは高齢心不全患者には容易ではない。そこで、遠隔心臓リハビリテーションが注目されており、遠隔心臓リハビリテーションにおいていかにして疾患管理を行うかを検討する必要がある。 申請者は、昨年度までの研究で運動療法中の心拍数や換気量に注意することで、心不全増悪の有無や運動耐容能の改善の有無を推定することが可能であることを明らかにし、前向き介入研究「高齢心不全患者に対する遠隔心臓リハビリテーションの有用性の検証試験」を実施した。COVID19流行の影響などにより症例の組み込みは予定を下回る5名の組み込みにとどまった。本年度は、これらの症例について詳細な検討を行った。結果として、運動療法中の心拍数や換気量(息切れの程度)の評価は、遠隔心臓リハビリテーションにおいても、疾患管理に有用であると考えられた。また、定期的に心電図をモニタリングする機会も得られることから、心不全に関連した不整脈の早期発見にも有用と考えられた。 これまでに、様々なタイプの遠隔心臓リハビリテーションシステムが考案され、研究されてきている。心不全の疾患管理を行う必要がある場合には、運動中の心電図や自覚症状をリアルタイムにモニタリングできるシステムが重要であると考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
遠隔リハビリシステム更新にともなう除外基準追加やCOVID19流行の影響(運動負荷試験の制限を含む)などにより症例の組み込みに難渋した。そのため、研究期間中、選択除外基準の緩和行い、症例登録期間を延長することで、組み入れ症例数の確保を目指した。そのため、予定より前向き介入研究の進捗が遅れた。
|
Strategy for Future Research Activity |
組み入れ症例が想定を下回り、予定通りの解析が困難となったため、遠隔心臓リハビリテーションの有効性、実現可能性について、個々の症例を個別に検討し、ケースシリーズ報告として報告をこなう予定であり、現在すでに投稿中である。
|
Causes of Carryover |
COVID19による学科のオンライン化の影響による旅費支出および、前向き介入研究「高齢心不全患者に対する遠隔心臓リハビリテーションの有用性の検証試験」の進捗の遅れによる論文投稿費などの支出が遅れている。現在論文投稿中であり、その際に支出予定である。
|