2021 Fiscal Year Research-status Report
日本版子どもの活動・参加に関する評価法の開発‐特別なニーズがある子どもへの活用‐
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19K19906
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
五十嵐 剛 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 講師 (50735199)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 幼児 / 地域 / 活動・参加評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域で生活を送る3歳~6歳までの幼児がしている活動・参加に関する評価法であるPreschool Activity Card Sort(以下、PACS)の日本版開発と、医学的診断の有無によらず生活や遊び、コミュニケーションにおいて困難が生じている「特別なニーズがある子ども」への日本版PACSによる評価の試行を目的としている。令和3年度は、作成した日本版PACSを用いて特別なニーズがある子どもの活動・参加評価を試行した。愛知県内の発達支援事業所を利用している特別なニーズがある幼児の養育者12名から、児の活動・参加状況を日本版PACSを用いて評価した。同時に日本版感覚プロファイル短縮版(以下、SSP)を用いて感覚処理特性の評価も実施し、活動・参加状況との関連性についても検討をした。結果、日本版PACSにおける「行っている活動・参加項目の合計数」と「SSPの合計スコア」、ならびに「日本版PACSの下位カテゴリー」と「SSPの下位セクション」との間に有意な相関関係が複数存在したことから、感覚処理機能の偏りの強さは活動・参加を妨げる要因となっている可能性が示唆された。特別なニーズがある子どもの活動・参加状況を定量的に測定し、感覚処理特性との関連を明らかにした研究は、知る限り本邦では初である。 しかしながら当初予定していた対象者数には未だ達していないことや、定型発達児に対する日本版PACSの実施および、その結果と特別なニーズがある子どもの結果との比較や検討が達成されていない。補助事業期間の延長が承認されたため、令和4年度も引き続きリクルートに努める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
日本版PACSの試行に関して、当初の想定よりも対象者のリクルートが進まなかった。また、リクルート候補施設での新型コロナウィルス感染症拡大により予定通り研究を推進することが困難な状況であった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度と同様、引き続き特別なニーズがある子ども及び定型発達児の養育者のリクルートに努める。
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Causes of Carryover |
リクルートが進まず、データ取得のために計上していた旅費が使用できていない。また新型コロナウィルス感染症の影響により学会発表を目的とした海外出張費として計上していた旅費を使用できていないことが理由である。今後、データ取得のための旅費、並びに研究成果発表のための旅費として使用する予定である。
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