2020 Fiscal Year Research-status Report
生後1週間内の行動と3歳時点での自閉スペクトラム症のリスクの関係
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19K19908
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
徳永 瑛子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (10710436)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 追跡調査 / 発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、年齢が低いときの子どもの発達上の特徴が、その後の発達と関連するのか調査した研究である。 新生児期の発達状況をとらえるための指標としてNelnatal Behavioral Assessment Scaleを使用した。3歳の発達状況をとらえる指標として、ASQ、SRS-Ⅱ対人応答性尺度、子どもの強さと困難さスケールを使用した。また、この他に1歳半時点でもアンケート調査を実施している。1歳半時点ではM-CHAT、Sensory Profileを使用している。 現在は配布したアンケートデータが戻ってきており、分析が可能と思われるデータが100例を超えた。そのため、現在論文作成を始めている。 新生児期と3歳時点のアンケート結果を分析したが、この2時点においては報告すべき発達状況の関連はみられなかった。この2時点に関しては、まだデータを収集中であるため継続してデータを収集し、今年度中にもう一度解析をする予定である。 1歳半と3歳時点のデータを分析したところ、データに相関がみられた。具体的には1歳半の感覚刺激に対する反応の様子とその強さが、3歳時点の社会性や、行動・情緒等の問題と関連しているという結果であった。これは1歳半時点のデータが3歳時点の子どもの状態を予測することができる可能性を示唆している。場合によっては、1歳半時点での感覚刺激に対する反応の様子が一種の発達のスクリーニングツールとして使用できる可能性があるといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分析に必要なアンケートは集まってきており、論文作成に移行しつつあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
アンケートの数はそろってきたため、今後は解析、論文作成に時間を割く予定である。アンケートの回収自体は継続して進めていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナの影響もあり、直接的な介入が難しくなり予測していた金額よりも謝金の支払いがすくなかった。また直接検査に必要な物品や環境設備のための資金を使用することがなかった。そのため未使用額が発生した。 今年度の未使用額は、直接介入のための研究者らの技術指導料として使用する予定である。
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