2021 Fiscal Year Annual Research Report
生後1週間内の行動と3歳時点での自閉スペクトラム症のリスクの関係
Project/Area Number |
19K19908
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
徳永 瑛子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (10710436)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 自閉症スペクトラム / 追跡調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
新生児期からの追跡者のデータ収集ができた。収集した数は、追跡対象者458名中、1歳半時点データ293名、3歳データ207名である。3歳児データは今後回収できる対象者が30名ほどいるため、多少前後する可能性があるが、現時点での回収率は1歳半が63.9%、3歳が45.2%である。今後は新生児期、1歳半時点のデータと3歳時点での自閉症スペクトラム(ASD)リスクの関連を分析し、論文化している最中である。結果の概要としては、3歳時点のASDリスクは1歳半時点の感覚刺激に対する反応と相関があり、1歳半時点の感覚刺激への反応が特異的であればあるほどASDリスクが高くなることが明らかとなった。この結果から、1歳半時点での感覚刺激への反応はその後のASDリスクを予見できる可能性があり、スクリーニングの一つの候補として有用である可能性もある。すでに活用されているASDスクリーニングと併せて活用することによって、子どものASDリスクを早期に発見し、より早期の介入を行える可能性がある。 またその後の追跡調査も継続して行っており、5歳児データも収集している。こちらの方は2021年10月に行われた日本感覚統合学会にて、その時点までのデータを用いて「3歳時点の感覚刺激に対する反応と5歳時点の社会性、情緒、行動上の問題との関連について」という内容で口頭発表を実施している。今後、5歳児データを改めて収集し、その後の状態も併せて確認できるように研究を発展させていく。
|