2020 Fiscal Year Research-status Report
腰痛による労働者の出勤状況と医療費支出に影響する二次予防戦略を含む因子の特定
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19K19912
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
高崎 博司 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (60404779)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 腰痛 / アウトカム / マッケンジー法 / 予後予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目指すところは、腰痛による労働者の遅刻・早退・休職率と医療費支出に影響する因子を特定することで、200名の1年間のコホート研究計画していた。2020年12月31日までに200名の被験者の取り込みを行うことを考えていた。しかし、想定外の新型コロナ感染症の影響で、被験者が医療施設でマッケンジー法を受けられない状況が発生し、また、医療体制が改善することもなく、2020年12月31日までに取り込みの終了した患者は68名となった。そこで、腰痛による労働者の遅刻・早退・休職率と医療費支出に影響する因子として考えられる複数因子の評価法の妥当性検証も同時に進めることし、2021年12月31日まで1年間の追跡調査実施後に予測モデルを作成する予定である。 現在検証している評価法は、①エクササイズの遵守度を評価する患者回答式質問紙票と、②患者を中心とした治療の実施度を評価する治療者回答式質問紙票である。①はRasch解析により構成概念妥当性を評価し、その論文は某国際誌で現在査読中である。②に関しては、Healthcare Providers Patient-Activation Scale(HP-PAS)の日本語への異文化適応を行い、その結果は2020年度にJournal of Physical Therapy Scienceにて掲載済みである。その後、HP-PASの評価基準を実施度に変更し、日本人理学療法士を対象に内容妥当性の検証をし、Self-reported adherence to patient-centered physical therapy scale (SAPCPTS)を作成した。この研究は某国際誌で現在査読中である。SAPCPTSに対し、Rasch解析を用いて構成概念妥当性を維持した短縮版を作成し、近日中に国際学術誌へ投稿を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年12月31日までに200名の被験者の取り込みを行うことを考えていた。しかし、想定外の新型コロナ感染症の影響で、被験者が医療施設でマッケンジー法を受けられない状況が発生し、また、医療体制が改善することもなく、2020年12月31日までに取り込みの終了した患者は68名となった。 研究期間を1年延長したとしても、今後医療体制が大幅に改善して1年以内に200名のデータ採取が終了することは困難と考え、被験者数が制限されている中でモデル式を作成する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
1年間のコホート研究の他に、腰痛による労働者の遅刻・早退・休職率と医療費支出に影響する因子として考えられる複数因子の評価法の妥当性検証も同時に進める。2021年12月31日まで1年間の追跡調査を実施した後、2021年度末までに予測モデルを作成する予定である。 現在検証している評価法は、①エクササイズの遵守度を評価する患者回答式質問紙票と、②患者を中心とした治療の実施度を評価する治療者回答式質問紙票で、予測モデル式を作成するまでには2つの質問紙票の構成概念妥当性検証の結果を国際学術誌で報告したいと考えている。
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Causes of Carryover |
被験者への謝礼はQUOカードで行うことにしたため、名目上物品費に計上されている。しかしながら、新型コロナウィルス感染症の影響で、被験者が医療施設でマッケンジー法を受けられない状況が発生し、また、医療体制が改善することもないまま、コホート研究の被験者取り込み期限である2020年年末となってしまった。被験者への謝礼が少なくなったことで令和3年度への繰越金が発生した。更に、2021年度には国際学会などで成果発表を計画していたために学会参加費に当てようと考えていたが、国際学会が相次いで中止となってしまった。これらの急な変更は、本研究を立案した時点では想定することが出来なかった。今年度の予算と昨年度の謝礼の余剰分は今年度研究協力者へのQUOカード謝礼(名目上物品費)として充てる。また、エクササイズの遵守度を評価する患者回答式質問紙票と、患者を中心とした治療の実施度を評価する治療者回答式質問紙票における妥当性検証結果の成果発表(英文校正費や出版費:名目上その他)としても充てることとする。
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