2019 Fiscal Year Research-status Report
Role of creatine cycle in cancer cachexia
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19K19915
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
後藤 桂 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (10469554)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 悪液質 / 肉腫 / クレアチンキナーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
腫瘍微小環境は低グルコース条件にあり、その状況下で抗がん剤に対する感受性を研究し、低グルコース環境に対する耐性機序を解明することは重要である。近年クレアチンキナーゼが糖代謝を介し癌の増殖及び転移に関係に関係するとの報告がなされてきているが、骨肉腫に対する作用について報告したものはない。そこで骨肉腫細胞におけるクレアチニンキナーゼ阻害薬の有効性を異なる糖濃度について検討した。SaOS2及びU2OSヒト骨肉腫細胞を用いクレアチンキナーゼ阻害薬の増殖抑制効果を検討したところどちらの細胞でも24時間処理で優位に増殖抑制効果を示した。次にlow glucose mediumにおいてクレアチンキナーゼ阻害剤の増殖抑制効果を調べたところ優位差をもって上乗せ効果が確認された。次に腫瘍細胞の分化傾向に対する影響を調べるためlow glucose medium ,high glucose medium で培養し、それぞれクレアチンキナーゼ阻害薬で処理しOct3, nestin, endoglinの発現についてRT-PCRで調べた。その結果U2OSは低グルコースでよりOct3の発現が上昇し、nestin, endoglinの発現は低下した。このことから分化度が低下しstemnessがより亢進したことが示唆された。この傾向はクレアチンキナーゼ阻害によってさらに増強された。一方でSaOS2は低グルコースでよりOct3の発現が低下し、nestin, endoglinの発現は上昇した、このことから分化度が上昇しstemnessが低下したことが示唆された。この傾向はクレアチンキナーゼ阻害によってさらに増強された。このように腫瘍細胞においてクレアチンキナーゼが低栄養状態におけるエネルギー産生に重要な役割を有することが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
クレアチンキナーゼの作用を腫瘍細胞を用いて確認することが出来た。研究の進捗はおおむね順調と見なされる。
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Strategy for Future Research Activity |
骨格筋細胞や心筋細胞を用いて、悪液質状態におけるクレアチンキナーゼの役割について検討する。
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Causes of Carryover |
昨年度実施予定であった実験が新型コロナ感染の蔓延に伴って実施できなくなった。本年度、予定していた実験について実施中で、次年度使用額についてはこれに使用中である。
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Research Products
(15 results)