2021 Fiscal Year Research-status Report
リハビリテーションを用いた酸化ストレス改善による新たなパーキンソン病治療の確立
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19K19920
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
大野 洋一 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 講師 (10709059)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / 酸化ストレス / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はパーキンソン病の進行原因の1つと考えられているドーパミン細胞の酸化ストレスに対する運動介入の効果を検証することを目的に実施している。本来、本研究課題はパーキンソン病患者を対象とした内容である。しかし、新型コロナウィルス感染症の影響により患者を被験者とすることが不可能となったため動物を用いた検討を中心に進行している。 今年度は酸化ストレス動態に対する運動効果の調査として、昨年度に実施した血中酸化ストレスに加え、脳内酸化ストレスおよび脳内栄養因子の解析を海馬、前頭葉、線条体に対して実施した。その結果、脳内に対する運動様式の違いによる酸化ストレス応答として高負荷運動が最も影響を与えることが示されている。また、測定部位による影響の違いや血中指標と脳内指標間で抗酸化力に関連性があることも確認できた。 今年度は酸化ストレスについての調査に加え、運動による酸化ストレス動態の変化に伴った症状変化の影響を検討するための取り組みとして、画像解析を用いた動作解析方法の確立にも取り組み、疾病モデル動物の前肢運動や姿勢変化の解析方法を確立することができた。この取り組みのなかではパーキンソン病モデル動物についても解析を行い、症状として「巧緻性の低下」や「姿勢反射障害」も確認できた。このことは今後の研究において、運動効果を酸化ストレス動態と実際の症状・運動機能変化の両側面より確認することを可能とできるため大きな進展と考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物実験による基礎調査としては順調に進んでおり、本課題の目的となるパーキンソン病に対する酸化ストレスを指標としたリハビリテーション効果の検討は可能と思われる。一方で本来の目的としていたパーキンソン病患者に対する部分では今後も見通しが立たない状況であるため「やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も現在進めている動物を用いた検証を中心に研究目的の達成を進めていく。また、新型コロナウィルス感染症の状況によっては患者調整を行い可能な範囲で測定を実施する。
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Causes of Carryover |
パーキンソン病患者を対象とした測定が行えなかったため、旅費、謝礼等が大きく削減されたことが理由と考えられる。使用計画としては、患者を対象した測定が可能となった場合は、旅費や謝礼に利用する。一方、患者に対する測定が難しい場合は現在行っている動物実験の費用やこれまでの研究結果の報告等に使用する。
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Research Products
(3 results)