2020 Fiscal Year Research-status Report
認知症に対する反復経頭蓋磁気刺激とコンピュータ認知リハビリテーションの併用効果
Project/Area Number |
19K19924
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
高倉 朋和 順天堂大学, 医学部, 准教授 (30363831)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 経頭蓋磁気刺激 / 皮質内抑制機能 / 認知リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、反復経頭蓋磁気刺激(repetitive transcranial magnetic stimulation, rTMS)とコンピュータを用いた集中的認知リハビリテーション(computer assisted cognitive rehabilitation, CACR)による認知症進行予防効果の検証を目的としており、ニューロモデュレーションを併用して行う集中的認知訓練による脳内可塑的変化の検証を進める予定である。また、本研究では大脳皮質内コリン系神経伝達系における皮質内抑制機能変化について、short latency afferent inhibition(SAI) を用いたin vivo定量評価により、認知機能と神経生理学的変化との関連を明らかにすべく研究を進めており、2019-2020年度にかけ神経生理学的検査、CACR訓練実施に向けた研究基盤整備・測定条件の確認などの環境整備を進めた。 2020年度より、認知症原因疾患である正常圧水頭症(iNPH)患者のタップテスト前後のSAI変化に関する検査を開始した。研究は現在進行中であるが、タップテストにおける反応陽性者ではタップテスト後にSAIが変化する傾向を認めており、髄液排出後の機械的圧迫解除による皮質内抑制系の機能回復を示唆する所見と考えられる。ここまでの結果について、関連の学会での報告を予定している。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行に伴い、当該医療機関においても感染拡大予防の観点などから診療・研究機能に多大な制限が生じ、現在研究進捗に遅れが生じている。 Withコロナ時代の生活様式にあわせた認知症進行予防の重要性からも、今後は在宅で実践可能な認知症予防活動がさらに一層重要になると思われる。本研究を通じて、CACRが在宅でも活用されるよう研究計画の再調整を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行に伴い、当該医療機関においても、感染拡大予防の観点などから診療・研究機能に多大な制限が生じ、対象となる患者数の減少、感染流行時期における3密・接触回避などの観点からも研究実施が難しい状況も続いてしまっており、現在研究進捗に遅れが生じている。
2019-2020年度にかけ神経生理学的検査、CACR訓練実施に向けた研究基盤整備・測定条件の確認などの環境整備を進めた。2020年度より、認知症原因疾患である正常圧水頭症(iNPH)患者のタップテスト前後のSAI変化に関する検査を開始した。研究は現在進行中であるが、タップテストにおける反応陽性者ではタップテスト後にSAIが変化する傾向を認めており、髄液排出後の機械的圧迫解除による皮質内抑制系の機能回復を示唆する所見と考えられる。ここまでの結果について、関連学会での報告を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
Withコロナ時代の生活様式にあわせた認知症進行予防の重要性からも、今後は在宅で実践可能な認知症予防活動がさらに一層重要になると思われる。本研究を通じて、CACRが在宅でも活用されるよう研究計画の再調整を進めている。 また近年、海外研究機関からはアルツハイマー病のみならず、パーキンソン病(PD)患者における運動・認知機能と皮質内抑制機能変化に関連して、SAIをバイオマーカーとして用いた研究報告も多数報告されてきており、今後本研究基盤を用いてMCI患者や、PD患者における認知症なども対象にして検証を進められるよう研究を推進していく。
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Causes of Carryover |
COVID-19の世界的流行拡大に伴い、研究計画に遅れが生じており、2020年度までに予定していた研究計画が実施できなかったため次年度使用額が発生した。 2021年度以降、rTMSを併用したCACRの研究実施ならびに、研究成果発表・論文作成等のため研究費支出が見込まれるため、これに充当していく予定である。
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