2019 Fiscal Year Research-status Report
Establishing minimal clinically important difference of Canadian Occupational Performance Measure
Project/Area Number |
19K19925
|
Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
大野 勘太 東京工科大学, 医療保健学部, 助教 (70827823)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | カナダ作業遂行測定 / COPM / MCID / 臨床上意味のある最小変化量 / 患者報告式アウトカム / レスポンスシフト |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は予備研究を2つ実施した. 予備研究1:カナダ作業遂行測定(COPM)の尺度特性のシステマティックレビュー 患者報告式アウトカム(PROM)の尺度特性に関する国際的評価基準であるCOSMINに準拠して,COPMの尺度特性に関するシステマティックレビューを実施した.全35編が読み込み対象となり,統合した結果,十分なエビデンスレベルが確保された尺度特性はなかった.しかし,COPMは,その他のPROMとは異なり,評価項目が事前に決められておらず,対象者の関心がある事項を評価項目として特定するという特徴がある.そのため,COSMINに定められた尺度特性の中でもPROMの中核をなす内的妥当性の検証を十分に実施する必要がある. 予備研究2:COPMのレスポンスシフト の検出 近年,PROM特有の評価バイアスの一つにレスポンスシフトがある.レスポンスシフト は,PROMを測定する際に患者の内的基準が変化することで,測定結果に影響を及ぼす現象である.臨床上意味のある最小変化量(MCID)の検出をより正確に実施するためには,COPMにおいてもレスポンスシフトを考慮する必要がある.COPMのマニュアルにおいてもレスポンスシフトに関する検証は行われていない. 回復期リハビリテーション病棟においてCOPMを実施した入院患者を対象に,インタビュー調査とカテゴリカル分析を実施した結果,19名中18名の対象者にレスポンスシフトの発生が確認された.また,発生したレスポンスシフトの種類は5種の大カテゴリー,29種の小カテゴリーに分類され,多種多様なレスポンスシフトの発生確認された.COPMにおけるレスポンスシフトの発生を抑制するためには,特定された作業を5W1Hなどのフォーマットで具体的に共有することが必要であると示唆された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予備研究として実施した,①COSMINに準拠したシステマティックレビューは現在雑誌に投稿し,査読返信待機中である.また,②レスポンスシフトに関しても,データ収集およびデータ解析が完了しており,現在論文執筆中である.
|
Strategy for Future Research Activity |
2020年度は,予備研究を受けて,MCIDを測定するためにCOPMを正確に測定する方法を確立させ,データ収集を行うこととする.すでに研究協力施設との打ち合わせは完了しており,データ収集を進めていくこととする.データ収集が完了したら,データ解析,論文執筆と進めていく.
|
Causes of Carryover |
2019年度のデータ収集のための謝金が研究計画立案当初の見積もりに比して安価に抑えられたため.2020年度にもデータ収集を予定しているため,謝金に充てることを予定している. 【2020年度使用計画】 人件費・謝金(318千円),英文校正2件(85千円*2=170千円),英論文投稿(PlosOne)費用1本目(161千円),英論文投稿(BMJopen)費用2本目(178千円) 合計827千円
|