2020 Fiscal Year Research-status Report
Investigation about effects of exercise and nutrition intervention on activity of daily living improvement in a rehabilitation hospital
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19K19939
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
川村 皓生 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 病院, 理学療法士 (30812416)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | サルコペニア / 栄養 / 回復期リハビリテーション / フレイル / 身体機能 / 活動量 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度(2019年度)は以前からの継続研究課題であった回復期リハビリテーション病棟(以下、回復期)におけるサルコペニア有症率の調査とその関連因子についての調査結果の解析を行った。回復期入棟患者のうち、65歳以上で運動器疾患を主病名とし運動麻痺や高次脳機能障害を既往に持たない85名(平均年齢80.2±6.9歳、男性24名、女性61名)を対象とし、入・退棟時にAWGS2019基準によるサルコペニア評価およびADL、身体機能、栄養状態等の評価を行った。サルコペニア有症率は入棟時49%、退棟時46%、低栄養リスクありの割合は入棟時71%、退棟時54%であり、入棟時サルコペニアまたは低栄養リスクありの者は無の者に比べ在棟日数が約2週間、有意に延長していた。入棟中の改善割合は低く4割以上の者がサルコペニアおよび低栄養リスクを残存させたままの退棟であった。 これらの結果をもとに回復期における運動療法と栄養療法併用介入の効果検証に関する研究計画を立案し、倫理申請・承認を受けて2019年11月より介入を開始し2020年度~現在まで継続している。本研究では回復期入棟中に通常のリハビリテーション(運動療法)に加えて栄養剤(必須アミノ酸)付加を行い、入棟時・退棟時および退棟1ヶ月後のサルコペニアや低栄養状態の変化を評価している。まだ統計学的解析による併用効果の結果を明らかにするには至っていないが、2021年度も継続して症例登録および介入を行い、症例数の蓄積をもって解析を行い、有効性について検証する予定である。なお、これまでの結果については関連学会での発表を行っており、最終的に和文もしくは英文での論文投稿を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度には観察研究の解析、2019年度途中~2020年度にはその結果を踏まえた介入試験を開始している。主に運動器疾患患者を対象に、回復期入棟期間中栄養剤付加として必須アミノ酸(ロイシン6g/day)を摂取し、入棟時、退棟時および退棟1ヶ月後にサルコペニア、栄養状態、身体機能・身体活動量の評価を行い前後で比較する。2020年度末時点での登録症例数は34名であり、継続して評価データを蓄積している。現時点までの傾向としては、入棟時と退棟時で栄養状態、筋肉量の改善が得られている症例が多く、退棟時よりも退棟1ヶ月後の方がさらに改善しているケースが多くみられている。ただしまだ統計学的解析を行って結論を出すには至らないため、今後症例数の蓄積をもって解析を行い、結論を出すこととする。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の介入試験を継続して症例数を蓄積し、各評価項目の前後変化の比較および退棟後の持続効果についても追跡評価によって検証を行う。また、以前の観察研究で得られたデータを傾向スコアマッチングによりヒストリカルコントロールデータとして設定し、栄養療法の併用効果をより明らかにするための検証を行う予定である。また、研究チームを刷新し対象者の円滑なリクルートを行えるようにする。データベースを構築しデータ欠損をできる限り少なくできるようにシステムを整備する。
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Causes of Carryover |
COVID-19感染拡大下において予定していた国際学会等への旅費の支出が行われなかったこと、次年度の交付額と合わせて結果の解析用のための統計ソフト等を購入する予定があること。
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