2020 Fiscal Year Research-status Report
児童生徒の障害理解を目的としたアダプテッド・スポーツ教育プログラムの開発
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19K19940
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
大山 祐太 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (60711976)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アダプテッド・スポーツ / 障害理解教育 / パラリンピック教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、小学校・中学校・高等学校の児童生徒を対象に、「アダプテッド・スポーツ(※)」に関する授業を行い、障害理解、平等意識、各競技の理解の変化等について確認することを目的としていた。当初は、受動生徒に対する授業前後の質問紙調査及び体験活動を含む授業実践を、約20校において行う予定であったが、新型コロナウィルスの感染拡大の影響で計画通りにできなかった。 授業実践が可能であった場合も、調査紙の配布・回収ができなかったり(感染リスク軽減のため)、スポーツ体験の内容を大幅に削減することになったりと、残念ながら、予備調査、教育プログラム開発に向けた示唆を得る程度の実践とせざるを得なかった場合があった。 ただ、限られた状況の中でも、小学4年生86名(男子41名、女子45名)、中学2年生89名(男子46 名、女子43名)の計175名に対しては体験を含むアダプテッド・スポーツ授業をおこなうことができた。実践及び調査の結果、児童生徒はアダプテッド・スポーツに対して「楽しかった」、「また授業を受けたい」、「体育であるといい」、「障害者と一緒にできる」、「誰とでも楽しめるスポーツ」と肯定的に評価していることがわかった。また、競技普及、授業における扱い方についても複数の示唆が得られた(例えば、ボッチャに対しては「楽しかった」「またやりたい」「難しくない」と肯定的に捉える一方で、「かっこいい」とはあまり思わていなかった。つまり、授業においてボッチャは「映像を観せる」よりも「実際にやらせてみる」ことが児童生徒への動機づけ・学習の深化を促しやすい)
※アダプテッド・スポーツ・・・障害者や高齢者、幼児、体力の低い方など、より多くの人ふがスポーツを楽しめるように、ルールや用具を修正したスポーツの総称(adapt=修正させる)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染拡大による、教育機関との連携、授業実践がほとんどできなかったため。当該研究は「児童生徒に体験型授業をおこない、その教育成果を確認することから、適切な教育プログラムを開発する」デザインであったため、根幹である授業実践及びデータ収集ができなくなった以上、進度は遅れていると言わざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度において、複数の学校と授業実践・調査の協力を取り付けているが、2021年5月10日時点で、新型コロナウィルスのまん延防止に向けた様々な規制が設けられているため、今後は各校と慎重に議論しながら、無理のない(児童生徒にリスクがないような)ように適宜計画を修正しながら研究を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、計画していた大部分の授業実践ができなくなり、それにともなう「旅費」拠出がなくなったため
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