2019 Fiscal Year Research-status Report
サッカーにおけるゴールキーパーの守備能力評価指標の開発と主観的評価との比較
Project/Area Number |
19K19941
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
平嶋 裕輔 筑波大学, 体育系, 特任助教 (60825074)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | サッカー / ゴールキーパー / クロス / ブレイクアウェイ / 客観的評価 / ロジスティック回帰分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、サッカーにおけるゴールキーパーの「クロス対応」及び「ブレイクアウェイ」能力を客観的に評価する指標を開発することである。本目的達成により、ゴールキーパーの全守備能力を数値化することが可能になり、先発選手の選択や選手獲得に有益である。さらに本研究では、開発した評価指標を用いた客観的評価と主観的評価による評価の比較を行い、開発した客観的評価指標の有用性についても検討を行いたいと考えている。 計画初年度の本年は、「クロス対応」及び「ブレイクアウェイ」難易度の定量化を試みた。対象とした試合は2018FIFAワールドカップロシア大会予選リーグ全48試合。まず、先行研究や指導書を参考に、「クロス対応」及び「ブレイクアウェイ」の結果に影響を及ぼすと推測される要因を抽出。次に、現場でのサッカー指導経験を有し、研究活動に従事している3名の専門家によって要因の追加と測定項目の詳細検討を行い、その後別の2名の専門家による最終確認を実施し、測定項目を設定した。 そして、設定された測定項目を用いて、記述的ゲームパフォーマンス分析によって対象とした試合映像からプレーを抽出しデータ化した。更に、収集されたデータをロジスティック回帰分析によって統計処理し、「クロス対応」及び「ブレイクアウェイ」の結果に影響を及ぼす主要因を明らかにするとともに、それぞれのプレー失敗確率を予測する回帰式を構築した。これらの回帰式を用いて「クロス対応」及び「ブレイクアウェイ」の難易度を1プレー毎定量化することにより、難易度を考慮したプレーの評価が可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、計画初年度に「クロス対応」及び「ブレイクアウェイ」のプレー失敗確率を予測する回帰式を構築した。それに加え、追加のゲームパフォーマンス分析とGPSデバイスを用いた分析を実施し、試合及び練習中のゴールキーパーの行動についてもデータの収集を行うことが出来た。これにより、当初からの計画に繋がる、ゴールキーパーの行動に関する基礎的な部分に研究を広げることが可能になると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定では、計画2年目に構築された回帰式の検証を行う予定であった。しかし、新型コロナウイルスの影響により、対象試合としていたEURO2020の延期が決まった。そのため研究計画を入れ替え、「クロス対応」及び「ブレイクアウェイ」能力を評価する客観的評価指標を開発し、その客観的評価指標の有用性を指導者の主観的な評価との比較から検証していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により、参加予定であった2つの学会大会が急遽Webおよび紙面開催となった。そのため旅費を使用する必要が無くなり、50,000円程度の繰り越しが起こってしまった。繰り越し金は、翌年度に予定している人件費及び謝金に加え、データの量を増やす予定である。
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Research Products
(4 results)