2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K19952
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
笹原 潤 帝京大学, 医療技術学部, 准教授 (70527465)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高気圧酸素治療 / 脳震盪 / スポーツ |
Outline of Annual Research Achievements |
現在行われている脳震盪の治療は安静のみで、積極的な治療手段は選択肢となっていない。脳震盪の急性期に高気圧酸素(HBO)治療を実施することの安全性と有効性が確立されれば、スポーツ立国をめざす本邦に大きく貢献できると考え本研究を企画した。 帝京大学医学部臨床研究審査委員会の承認を得て、2022年4月に研究をスタートした。 選択基準は、1)スポーツ中に頭部、顔面、頚部、あるいはほかの部位への衝撃をうけた後、帝京大学スポーツ医科学クリニックにて脳振盪と診断された18歳以上の男女 2)受診時に頭痛などの脳振盪症状が遺残している症例 3)受診時に頭部MRIもしくはCTを施行できる症例 4)受傷後3日以内にHBO治療開始可能な症例 5)本臨床研究への参加について、患者本人による書面での同意が得られる症例 とした。HBO治療は1日1回、3日間行い1クールとした。1クールの治療後に脳震盪の症状が残っていた場合は、2クール目として1日1回、3日間のHBO治療を追加で行った。2023年3月末の時点で、目標症例数の20例に到達し、症例登録を完了することができた。あと1年経過観察を行う予定だが、現時点ではHBO治療による有害事象は発生しておらず、20例すべて競技復帰できている。 なお、本研究では、研究が安全にかつ本研究実施計画書に従って実施されていること、データが正確に収集されていることを確保する目的でモニタリングを実施した。また、研究における信頼性の確保および臨床研究の対象者の保護の観点から臨床研究により収集された資料・情報の信頼性を確保するために監査も行っている。
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