2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K19957
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
欠畑 岳 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員 (80824606)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 大腿筋活動 / スプリント走 / 主観的努力度 / 筋制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度(2022年度)は、研究課題①:スプリンターのスムーズな走動作に関わる『Switch』の検討、研究課題②:スプリントのシザース動作を可能にする筋活動の特徴(両脚の『Scissors』の検討)について、異なる走速度下におけるこれらの筋制御の振る舞いについて検討した。 短距離選手18名は、異なる7つの主観的努力度(SE):20%、40%、60%、80%、90%、95%、100%SEで50m走を実施した。分析区間(30-50m)における走速度、ピッチ、ストライドを算出した。また、両脚の大腿直筋: RFおよび大腿二頭筋: BFの筋活動を無線筋電装置で記録し、onsetとoffsetのタイミングを算出した。これらを基に「主働筋-拮抗筋の切替え:Switch」、「両脚の主働筋の協調性:Scissors」を筋制御の評価指標として定義した。 その結果、高速度域(>9m/s)では高いピッチ(>4Hz)が観察され、スウィング期におけるRFの活動時間が増加することが明らかになった。これは、スウィング脚の速度を増加させ、高いピッチを獲得するための戦略であると考えられる。 ピッチの増加には両脚の素早い下肢動作が重要となるが、高速度域では、スウィング脚のRFと、接地(反対)脚のBFの活動のタイミングScissorsが短縮された。これは、両脚の素早い下肢動作を達成するための筋制御の特徴であると考えられる。また、高速度域では、Switchの時間が短縮された。以上より、高速度のスプリントにおいては、より高度かつ繊細な両脚の大腿筋活動の制御能力が要求されることが示唆される。
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Research Products
(3 results)