2020 Fiscal Year Research-status Report
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19K19959
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Research Institution | Asahikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
阿羅 功也 旭川工業高等専門学校, 人文理数総合科, 助教 (90781691)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 蹴鞠 / 技術復元 / 蹴鞠使用球の製作 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は蹴鞠の技術の中でも大衆の蹴鞠「地下鞠」の技術に焦点を当てている。これまでレプリカ球を使用して実際の動きを再現してきた経緯がある。研究を進めるにあたり、「鞠」の蹴った感触や空気抵抗といった項目は再現において重要な点であると判断した。しかし鞠師によって製作された鞠は入手が非常に困難であった。実際に使用されている「鞠」を使用して再現を試みるために、独自の手法で鞠製作に着手し研究を進めてきた。具体的な製作としてはけまり鞠游会の池田氏による鞠製作を参考にし、伝統的な技術を現代の近代工学に置き換え実施した。鞠の製作が可能になることによって、これまでは1名での技術復元資料であったが鞠足(プレーヤー)を育成するための練習環境を作ることが出来ることから、フォーメーションの再現も実現できると考えている。従来通りの動きを再現した動画や写真は、これまで以上にデータ収集を積極的に実施することができた。京都府での蹴鞠研究活動はコロナ禍ということもあり実施することができなかったため、現地の方々からの意見を調査することはできなかった。 2020年度に投稿した「蹴鞠使用球の製作:-レーザー加工機を利用した型取りの実践-」はその内容であり、今回得られた鞠製作のデータを元に鞠を製作し技術の再現度を高めることが可能になるだろう。そして複数個の鞠を製作することによって練習方法の実践も視野に入れ、蹴鞠のチームプレーの再現を2021年度は実施していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
蹴鞠の技術再現における課題が明確になり、新しい視点からその課題にアプローチすることができている。蹴鞠の革選定、製作方法も定まった。今後の技術復元研究において追い風である。蹴鞠製作に集中していたためとはいえ、論文としての投稿が捗らなかった点に関しては反省点である。2021年度は大幅に研究の進展ができると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
蹴鞠使用級の製作が概ね順調であるため、技術の再現を実施していく。個人技術の再現はもちろんのこと、グループでの特徴的な動きも再現していく。個人から集団へ技術体系をまとめあげ大衆蹴鞠「地下鞠」の技術教本をまとめあげていきたい。 そのためには撮影方法や機材を工夫する必要があるため検討していきたいと考えている。また、フットボール経験のある学生に協力を得る予定であり積極的に再現に着手していく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍ということもあり出張にて調査を行うことができなかった。 次年度は予定していた京都への出張を可能であれば数回実施したい。
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