2022 Fiscal Year Annual Research Report
一貫指導を基盤としたサッカー育成年代ゴールキーパーのコーチング能力形成過程の解明
Project/Area Number |
19K19969
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Research Institution | National Institute of Technology (KOSEN), Kure College |
Principal Investigator |
丸山 啓史 呉工業高等専門学校, 人文社会系分野, 准教授 (70708651)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | サッカー / ゴールキーパー / 育成年代 / コーチング能力 / 総移動距離 / 形成過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は「8人制サッカーにおける育成年代ゴールキーパー(GK)が試合中に展開する指示の実態:U-11とU-12の比較に着目して」の題目で学会誌運動とスポーツの科学に掲載された。概要としては、U-11年代と比較してU-12年代GKは、試合中の指示量は増加するが、指示の質については大きな差はなく、特にオン・プレー中のボールに直接関与していない選手に対する指示については年代差が認められないことが明らかとなった。 次に、「人制サッカーにおけるU-12年代ゴールキーパーの総移動距離の実態とその関連変数の検討」の題目で、現在論文の審査中である。概要としては、U-12GKの総移動距離は981.4±227.8 mであり、総移動距離への関連が仮定された独立変数の中で、学年、試合の時間帯、GK好意度には差が認められなかったが、GK経験については下位群と比較して上位群の総移動距離が有意に高い値を示した。また、GKの総移動距離とGKが試合中に展開した発語、指示の関係については、発語数、指示数、攻撃に関わる指示数、守備に関わる指示数のいずれにおいても中程度の有意な正の相関が認められるものであった。 また、Jリーグ下部組織GKコーチを対象としたインタビュー調査と、U-12年代GKのコーチング実態をもとに、育成各年代におけるGKのコーチング能力の実態とコーチング能力の形成過程の一端を解明することに着手した。育成年代GK指導者へのインタビュー調査から、育成年代GKのコーチング能力形成過程は、指示ができないGKから、知覚・予測・判断能力を伴ったコーチング能力が形成されていく過程の一端が仮説的に検証されたが、インタビューの結果からは、これらのコーチング能力形成過程にはGK指導の有無や、GK指導者の指導の仕方が大きく影響している可能性も示唆されるものであった。
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