2019 Fiscal Year Research-status Report
曲走路疾走において最適な動作を習得するための支援システムの開発
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19K19971
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Research Institution | Kansai University of Social Welfare |
Principal Investigator |
大沼 勇人 関西福祉大学, 教育学部, 講師 (10762239)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 走動作 / 曲走路疾走 / 内傾動作 / 求心力 |
Outline of Annual Research Achievements |
曲走路疾走は直走路疾走とは異なり,走路に沿って身体の向きを変える必要がある.そして,身体の向きを変えるためには,走者は求心力を生み出す必要がある.数理モデルに置き換えると,求心力はF = m・v2 ・ R -1(m: 身体質量, v: 移動速度, R: 曲率半径)で表すことができ,曲率半径が同じであれば,移動速度が高いほど求心力も大きくなる.よって,移動速度が高い陸上競技短距離種目では,より大きな求心力を獲得するため,最適な身体内傾動作を習得する必要がある. 2019年度は,曲走路疾走中における支持期中の内傾動作と求心力との関係を明らかにする測定を行なった.大学陸上競技部に所属している男子大学生12名(年齢:20±1歳,身長:1.74±0.05m,体重:67.2±4.9)を被検者とし.陸上競技場における第1レーンに相当する曲走路で60m走全力疾走中の動作ついて三次元動作解析を行なった.その結果,左右脚支持期ともに,脚全体の平均角度と求心力の平均値との間には有意な相関関係が認められた.一方,胴体の内傾動作について,左脚支持期中における胴体の平均角度と求心力の平均値との間には有意な正の相関関係が認められたのに対し,右脚支持期では有意な相関関係は認められなかった.胴体の内傾動作の巧拙が,曲走路疾走中の求心力の獲得に関与している可能性があると考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度については,内傾動作と求心力の関係について検討することで,以降で考慮すべき指標を明らかにすることが出来た.しかしながら,申請時の予定であった身体内傾動作のモデルを作成までで至っていないため,進捗状況は区分の通り,報告する.
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は,ウェアラブルデバイスを用いて,身長の異なる選手を対象に,複数の曲率半径の曲走路疾走中の胴体内傾動作の特徴について明らかにし,曲走路疾走中の身体内傾動のモデルの構築を行なう.動作モデルの構築と並行して,リアルタイムでフィードバックを可能とするシステムの開発を行なう.
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Causes of Carryover |
申請時の予定であった身体内傾動作のモデル化の実験を2019年度で実施することが出来なかった.生じた次年度使用額については,前述した実験予算として2020年度に執行する.
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