2021 Fiscal Year Research-status Report
最新の三次元心エコーを用いた起立耐性低下の機序解明と健康な体力の上限設定への応用
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19K19984
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
平吹 一訓 杏林大学, 医学部, 医員 (70793694)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 起立耐性能力 / 最大酸素摂取量 / 左室捻転運動 / 左室リモデリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は健康維持に適切な運動量の上限を決めるために最大酸素摂取量と起立耐性機能の関係を明らかにすること、その関係を引き起こしている生理学的機序を明らかにすることを目的としている。本年度も昨年度に引き続き新型コロナウイルスの影響で被験者数を増加することが難しく、被験者数増員はわずかだった。当初の計画では最大酸素摂取量(VO2max)によって5ml/kg/分毎にグループ分けを行い、起立耐性能力を比較する予定であったが、前述のように被験者数が思うように増加しなかったため、まずはVO2maxの値順に3グループ(体力レベル低・中・高)に分け、起立耐性能力を比較した。VO2maxと起立耐性能力評価の実験方法はこれまでと同様である。被験者は健常男性28名(24±7歳)であった。VO2max値によって分類された3群[低群(n=11, VO2max:32.6±7.0 ml/kg/分), 中群(n=9, 47.6±5.2 ml/kg/分), 高群(n=8, 61.6±2.4 ml/kg/分)]でCSIを比較したところ、低群(CSI:1503±551 mmHg・分)と中群(1604±691 mmHg・分)の間には差を認めなかったが、高群(761±280 mmHg・分)は低群及び中群よりも低かった(vs L群: p=0.02, vs M群:p=0.02)。この結果よりVO2maxが50ml/kg/分程度までは起立耐性が維持される可能性が示唆された。昨年度の結果についてはこれから第77回日本体力医学会大会で発表を行う予定である。また、一昨年度の結果については米国スポーツ医学会議2021で発表を行った。今後は被験者数をできるだけ増やし、より細分化したグループ分けを行い、体力の上限を明らかにする。また、一昨年度、明らかにした体力レベルによる左室捻転運動の違いについてもグループ間で比較を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスの影響で被験者の獲得は遅れが生じているが、その分、予定よりも前倒しでデータの統計学的解析を行った。被験者数は少ないながらに結果としては予想通りのものになっている。全体的には順調な進展と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでと同様に被験者数を増員し、最大酸素摂取量の測定、起立耐能力評価、起立負荷時の3D心エコー測定を実施する。さらに細分化した体力レベルでの区分を行い、適切な運動レベルの上限の設定を目指す。
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Causes of Carryover |
昨年と同様に新型コロナウイルス感染症の影響によって実験を行うことができず、学会への参加もweb開催であったため。今年は実験や学会発表を活発化させる。また、論文化による必要経費にも使用する。
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Research Products
(2 results)