2020 Fiscal Year Research-status Report
極めて短時間で全身持久力から骨格筋の量・機能の向上をもたらす新たな運動様式の開発
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19K19990
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山岸 卓樹 早稲田大学, スポーツ科学学術院, その他(招聘研究員) (10794696)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | スプリントのセット数と生理学的応答 / 全身の酸素消費動態 / 局所の酸素消費動態 / 骨格筋の活動レベル |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、2019年度に実施した実験(スプリント時間が骨格筋の活動レベルおよび全身・局所のエネルギー代謝に及ぼす影響)で得られたデータをまとめ、2020年10月28日~10月30日にオンラインで開催された第25回ヨーロッパスポーツ科学学会にてポスター発表を行った。なお、当初の予定では、当該年度は2019年度の研究成果をもとに介入研究を実施する予定であったが、新型コロナウィルス感染拡大の影響から、介入研究の断念を余儀なくされた。代わりに、2019年度の研究成果を進展させるべく、スプリントのセット数と生理学的応答の関連性を解明することを目的に一つの実験を遂行した。まず、2019年度の実験により、①全力スプリントにおいて、大腿部骨格筋の酸素消費応答は15秒以内で最大限に高まる、②10秒以上の全力スプリントを反復する場合、3セット目以降は全身・局所の酸素消費量は増大しない(応答が鈍る)、③スプリントの総仕事量と大腿部骨格筋の活動レベルは必ずしも一致しないことが明らかとなった。これらの結果を踏まえて、当該年度は短時間(15秒)のスプリントのセット数(1~3本)と生理学的応答の関連性に迫るべく、10名の一般健常男性を対象に生理学的データ(全身・局所の酸素消費動態および大腿部骨格筋の活動レベル)を取得した。
2020年度までに得られたデータの解析を進めることで、全身持久力から骨格筋の量・機能(筋力・筋パワー発揮能力)を高めうる必要最小限のトレーニング刺激(スプリント時間/セット数)の解明に迫ることが期待できる。今後は、本研究で得られた知見を広く一般社会へ還元するために、ハイ・インパクトジャーナルへの掲載を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、2020年度の研究計画は影響を受けたものの(介入研究の断念)、2019年度、2020年度それぞれ独立した実験を遂行することが出来た。2019年度は主にスプリント時間と生理学的応答の関連性を、そして2020年度はスプリントのセット数と生理学的応答の関連性を多角的に検証するためのデータ取得に成功した。今後は、得られたデータの解析および論文執筆を進めハイ・インパクトジャーナルへの掲載を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も感染症の拡大状況の予測が困難なことから、2021年度はこれまでに取得したデータの解析および論文執筆に注力し、年度内にに2本の論文掲載を目指す。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた主な理由は、2020年度に参加を予定していた国際学会(25th Annual Congress of the European College of Sports Science)が新型コロナウィルスの世界的大流行の影響を受けオンラインに変更となり、旅費が大幅に抑えられたためである。2021年度の当該助成金は論文掲載料およびデータ解析に必要となる解析ソフトウェアの購入等にあてる予定である。
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