2020 Fiscal Year Research-status Report
オープンウォータースイミングにおける泳技術評価法の確立とレース分析法への応用
Project/Area Number |
19K19991
|
Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
馬場 康博 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 講師 (50592614)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | レース分析 / GPS / 慣性センサ / ドローン撮影 / OWS |
Outline of Annual Research Achievements |
自然環境で泳ぐオープンウォータースイミング (OWS) では、波や流れといった自然現象に合わせた泳技術が必要な上に、集団での泳ぎ方が重要となる。だが、①OWS中の泳技術の評価法や②集団泳中のレース分析法は確立されていないため、「自然環境での泳技術はどのように評価できるか?」「集団泳のレースはどのように評価できるか?」という点においては、未解明である。本研究では、自然現象に合わせた泳技術を明らかにし、評価システムを開発することで、OWSの競技力向上やコーチング方法に繋げることを目的としている。 課題1:慣性センサ・ドローンを用いた画像解析・GPSを併用することで、自然環境の泳技術評価を検証する。 課題2:確立した評価方法を、集団泳におけるレース分析に応用する。 これらの課題を達成することで、自然環境での泳技術評価および集団泳のレース分析法を開発する。これまでのOWSの研究では、パフォーマンス記録 (Rust et al., 2014) を評価した報告も存在するが、海での泳動作を慣性センサの抽出情報を定量化した報告は,ストローク頻度 (富川ら, 2014, Baba et al., 2017;2018)を除けば,ほとんど見当たらない。この研究はOWS競技力向上、水難事故防止に貢献できる可能性があり、プールのみならず、自然環境下で自己保全能力を高める教育のための貴重な情報になることが予想される。 2020年度は、OWSのレース中止が相次ぎ、競技会においての応用ができなかった。プール環境において、慣性センサを使用することで前方確認をするOWSの泳動作と前を見ないクロールでは、右手と左手の水の掻き方が変化することを確認できた(n = 2)。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究では、自然現象に合わせた泳技術を明らかにし、評価システムを開発することで、OWSの競技力向上やコーチング方法に繋げることを目的としている。 当該年度の研究課題は、「自然環境における泳技術評価システムの確立」であり、今年度はドローンを使用したレース撮影方法の検証およびGPSの位置情報による速度情報の習得が水中環境で可能か否かを評価する予定であった。 しかし、2020年度は競技会中止が相次ぎ、OWSレースにおけるドローン撮影、慣性センサとGPSセンサとの併用(同期)が不可能であった。2019年度、GPSセンサの防水加工に成功した。さらに泳者の心拍情報は、GPS情報と同時に計測できた。 ドローン操縦には技術的な習熟が必要であることが課題として残ったままである。泳者の取付位置によって、位置情報が異なるため、泳速度情報は、従来の方法と本研究の方法を比較することでの精度について検証する必要性がある。 GPSの画像情報をもとに泳動作、泳速度を妥当に評価できれば、自然環境での泳技術評価および集団泳におけるレース分析が期待できる。さらに他競技応用への汎用性をもち,自然環境で自己保全能力を高める安全水泳の確保、教育環境と運動活動場の提供、トレーニング方法の提案など様々な波及効果が期待できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
画像を用いた慣性センサとGPSセンサとの併用。映像獲得のためのドローン操縦には技術的な習熟、GPSセンサ取付位置の精度検証を達成し、GPSの画像情報をもとに泳動作、泳速度を安定した計測を実現したい。昨年度に続き、課題1の自然環境の泳技術評価を検証する。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の影響により、実験実施および学会発表等、研究活動に影響が生じた。
|