2022 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者に対するオーラルフレイル予防に向けた健康教室、健康支援の有効性の検討
Project/Area Number |
19K19999
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Research Institution | Osaka Seikei University |
Principal Investigator |
臼井 達矢 大阪成蹊大学, 教育学部, 准教授 (00638132)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | オーラルフレイル / 口腔内局所免疫 / 健康コミュニティ / 自律神経活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔内を健康に保つことは様々な疾病予防となり、口腔機能低下を防ぐことが健康寿命の延伸となる。さらにオーラルフレイルの状態が身体フレイルにつながり要支援・要介護状態を招く原因ともなりうる。そうしたことから我々はこれまでに口腔内局所免疫機能である唾液HBD-2に着目し、一過性の身体的ストレスに伴いその発現が抑制されること、その抑制に伴い虫歯菌の抑制効果が脆弱化されることを報告してきた。さらに高頻度での運動トレーニングの実践が唾液HBD-2を低下させ、上気道感染症への罹患率を高めることも報告してきた。このように一般健常者に対する口腔ケアに有効な運動方法を明らかにしてきたが、オーラルフレイル予防が必要な地域在宅高齢者や要支援・要介護高齢者に対する効果検証までは至っていないのが現状である。そこで本研究ではオーラルフレイル予防に向けた高齢者同士のコミュニティの場の有効性を検討するために下記テーマに取り組んできた。研究①として地域在宅高齢者を対象に1年間の健康教室や地域活動を開催し、その有効性を口腔機能および口腔内免疫の観点から検討した。研究②として要支援・要介護高齢者を対象に6ヶ月間の健康支援がオーラルフレイル予防や改善に有効であるかどうかを検討した。研究の最終結果として、地域在宅高齢者60名および要支援要介護高齢者20名を対象に週1回、6ヶ月間の健康コミュニティ活動の効用を検討した。その結果、唾液HBD-2は介入後において有意に高まった。オーラルディアドコキネシスにおいても介入後に有意に増加した。安静時の交感神経活動においても、介入後において交感神経活動が抑制されストレスの軽減がみられた。唾液中細菌数レベルにおいても介入後では有意に細菌数レベルが減少した。以上のことから地域活動や健康コミュニティへの参加は、自律神経活動バランスを整え、オーラルフレイル予防の一助を担う可能性がある。
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