2022 Fiscal Year Research-status Report
基本的運動能力、機能的動作能力の解析から学童期野球選手の障害因子を解明する
Project/Area Number |
19K20000
|
Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
遠藤 康裕 福島県立医科大学, 保健科学部, 講師 (50805306)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | SEBT / Deep squat / 投動作 / 三次元動作解析 / 跳躍動作 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、学童期野球選手に対して、基本的運動能力としての走動作、跳動作、投動作と、機能的動作能力としてのDeep squat(深いしゃがみ込み動作)、Lower extremity side reach(立位での動的バランス動作)の動作解析を用いて、その特徴を明らかにするとともに各動作の特徴と障害発生の関連を明らかにすることを目的としている。 2022年度は、37名の測定を実施し、そのうち10名は前年からの縦断調査が可能であった。これまで述べ68名、実数58名の測定が完了した。Deep squat、Lower extremity side reach、跳動作、投動作の定性的な分析、三次元動作解析を行うととともに、縦断調査が可能でった対象者は前回からの変化を検討した。さらに、機能評価との関連を分析した。跳躍動作、投球動作ともに、動作の段階にはばらつきが大きかった。跳躍動作では、「踏切時の膝、股関節、体幹の十分な伸展」、「跳躍中の体幹前傾維持」、「着地時の前方への下肢の振り出し」で不十分な選手の割合が多かった。投球動作では、「Foot plant時の体幹の開き」、「ball release時、フォロースルー時の体重移動」、「バックスイング時の体軸回旋」で不十分な選手が多かった。 跳躍動作と投球動作の関連では、跳躍動作時に「上肢を前方に振り出すが肘の伸展が不十分」であるパターンの選手では投球動作時に体幹の回旋が早期に起こっているものよりも「早期の回旋が抑えられている」ものが有意に多かった。また、投球動作で「グローブ側上肢を引き戻し動作があるが不十分」であるパターンの選手では跳躍動作の「踏切時に下肢・体幹が完全に伸展している」ものが有意に多かった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度で3回目の測定となったが、2021年度がCOVID-19感染拡大の影響で測定が行えず、縦断調査の継続が途絶えた。2022年度には新規で37名の測定ができたため、研究期間を延長し縦断調査を継続する。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度は縦断調査を継続し、各動作、身体機能の理学療法評価を実施し、追加データを含め動作の定性的分析、三次元動作解析を行う。身体機能との関連の検討、さらには縦断調査が可能であった対象者に関しては、経時的な変化を分析する。 これらのデータを解析し学会発表、論文公表を計画している。
|
Causes of Carryover |
データ収集のための機器整備費、消耗品の購入が必要である。 研究成果の公表のための学会参加、および論文公表のための英文校正費、論文掲載費が必要である。
|