2021 Fiscal Year Research-status Report
ヒトを介する触覚系情報がロービジョン者の姿勢・歩行制御に与える影響
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19K20001
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Research Institution | Tokyo University of Science, Yamaguchi |
Principal Investigator |
宇野 直士 山陽小野田市立山口東京理科大学, 共通教育センター, 講師 (70713212)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ロービジョン / 歩行支援 / 移動 / 網膜色素変性症 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに保有視機能と立位・歩行制御の関係性や、ヒトを介した触覚情報がロービジョン者の歩行制御に与える影響について検証し、論文および学会での成果発表をおこなった。これらの知見に基づき当該年度は、ロービジョン者を手引き歩行する際の留意点等の情報発信を一般向けにおこなうことを目的とした。現在までに、連携する視覚リハビリテーション施設の歩行訓練士や教職員に研究成果を説明し、現場に活用するにあたっての意見を収集している。また、視覚障がい者団体からも研究成果に対する意見をもらい、一定の成果を得ている。特に、当該年度も含めて一連の実験は実験環境下で実施されたものであるが、実環境下の特徴(環境音や衝突リスク等)を考慮することで、より実際の歩行環境に適応した成果になるのではないかとの意見が多く寄せられた。ロービジョン者が実環境下を移動する際、歩行環境や同行援護者の有無、眼疾患の病態等によって視覚や聴覚、触覚等の感覚情報の重みづけは変化するため、今後はこの点を考慮した実験により、上記の課題を解決する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度に予定していた実験および成果発表を実施できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度までに取り組んだ一連の研究により、ヒトを介した触覚情報-動作機序の関係性について一定の研究成果を得ることができた。一方で得られた知見には、ロービジョン者が実生活で移動する際の様々な制約やリスクが十分に反映されていない。この点を解決することは、歩行訓練や同行援護等のケア現場が求める”生きた知見”の獲得に繋がると考えている。今後は、実環境で想定される種々の制約がロービジョン者の心理および移動動作に与える影響について検証し、眼疾患の多様な病態を考慮した最適な感覚情報支援に繋げる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例措置として補助事業期間の延長申請を受けたため。当初成果公表を予定していた学会大会が延期となったため、本申請をおこなった。
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