2020 Fiscal Year Annual Research Report
小児メタボリックシンドロームに対する新しい運動介入法に関する研究
Project/Area Number |
19K20002
|
Research Institution | Ibaraki Children's Hospital |
Principal Investigator |
林 立申 茨城県立こども病院(小児医療・がん研究センター), 小児医療研究部門, 研究員 (00752510)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 小児肥満 / メタボリックシンドローム / 運動療法 / アディポカイン / 慢性炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
成人期の心血管リスクを減少させるため、小児期に介入し、肥満をはじめとした危険因子を改善させることは重要だが、小児に対してメタボリックシンドローム(MetS)予防のための介入法は標準化されていない。本研究は肥満学童に対して低密度(週1回)の集団運動療法を組み込んだ介入プログラムを行い、MetS関連の臨床指標の変化を解析し、日常診療で実行可能な予防方法を確立することを目標とした。
現在までに計20名の肥満児童に対して介入プログラムを実施した。3か月間の介入で対象者の肥満度は39.6%±4.5から35.7%±13.6(p<0.05)、BMI-SDスコア2.00±0.59から1.93±0.62(P<0.05)となり、有意に低下した。血液指標では尿酸4.9から4.9mg/dL(p=0.91)、中性脂肪105から78mg/dL(p<0.01)、T-CHO 173から173mg/dL(p=0.83)、HDL-C 57から58mg/dL(p=0.51)、ALT 31から33IU/L(p=0.55)、leptin 25.9から24.4ng/mL(p=0.59)、adiponectic 9.8から11.2μg/mL(p=0.14)、fibrinogen 281から258mg/dL(p=0.22)、PAI-1 26.2から28.1ng/mL(p=0.53)となった。多くの血液指標は介入前後で明らかな変化はなかったが、中性脂肪は有意に低下、adiponectinは上昇傾向にあった。生活習慣調査では介入後に運動時間が有意に増加した。保有する心血管危険因子数は減少した。運動介入をしなかったコントロール群や過去の研究対象グループを含めた解析も行った。 短期間で低密度の運動介入プログラムであっても肥満児童の運動習慣(運動時間)改善が促され、肥満をはじめとする心血管危険因子の改善につながることが示唆された。
|