2020 Fiscal Year Research-status Report
シットスキー選手のスポーツ傷害予防と競技力向上のためのバイオメカニクス的研究
Project/Area Number |
19K20008
|
Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
笹代 純平 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツメディカルセンター, 専門職 (20758221)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 障がい者スポーツ / クロスカントリースキー / 肩甲骨 / バイオメカニクス / ポーリング動作 / 電磁ゴニオメーター / シットスキー |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は,新型コロナウィルス感染症のまん延による研究実施への影響が多々あったが、2019年度の予備実験の成果を学術大会で発表した。予備実験の成果として、シットスキーのような座位でのポーリング動作は立位と比較して、競技パフォーマンスが低いこと、座位では動作中の上肢・体幹の関節角度が立位の場合と異なることなどの結果から、これらがシットスキー選手の肩関節痛などに影響している可能性について報告した。 さらに、これまで実施してきた電磁ゴニオメーターを用いたポーリング動作の三次元動作解析と合わせて、近赤外線分光法による筋酸素飽和度の測定を同時に行い、上肢の筋疲労の確認方法として利用可能かどうかを上腕三頭筋に機器を貼付して確認した。しかし、感染症対策のためクロスカントリースキー経験のある被験者で測定を行えなかったため、先行研究をもとに設定したプロトコルでは負荷が強すぎることが示唆された。次年度も、感染症の状況が改善せず、選手での測定を実施できない場合にはさらにプロトコルを再考しなければならない可能性がある。 次年度(2021年度)は当初2020年度に実施予定であった実際に下肢や体幹に障がいのあるパラクロスカントリースキー選手や、競技レベルの高い健常なクロスカントリースキー選手を対象とした測定を行うとともに、2020年度に実施した予備実験をもとにポーリング動作の疲労課題を設定し,前後での比較を行うことで疲労による影響についてさらに明らかにしていく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の蔓延による移動制限により、被験者に依頼しての測定などが行えず、健常のクロスカントリースキー未経験者での予備実験のみにとどまった。これまでの予備測定で得られた成果については学術大会等で発表をしたり、次年度学会発表のための抄録作成を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
2021年度は学術大会での成果発表を行いつつ、予備測定の成果を踏まえて,パラクロスカントリースキー選手や健常のクロスカントリースキー選手を対象とした測定を実施していく予定である.さらに,競技レベルの違いによる肩甲骨運動への影響についても分析をおこなっていく.成果についてはスポーツ関連学会,国際誌での論文発表を行う予定である.
|
Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の蔓延による緊急事態宣言等で、研究者自身の移動や、被験者への依頼に多大な支障があった。2021年度は所属機関や実際に研究を実施する機関の感染症対策規定に基づき測定を実施する。
|
Research Products
(3 results)