2019 Fiscal Year Research-status Report
スポーツによるジェンダー規範変革の可能性の検証 ー東南アジア地域を事例に-
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19K20015
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
野口 亜弥 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 助教 (70823722)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 東南アジア / ジェンダー規範 / スポーツ / スポーツと開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、課題解決の手段としてのスポーツに着目し、西洋のジェンダー規範を内在するスポーツが現地のジェンダー規範にどのように影響を与えているのか、また現地のジェンダー規範がスポーツにおいてどのように反映しているのかを明らかにし、現地のジェンダー平等に対してのスポーツの役割を明らかにすることを目的としている。 2019年度は先行研究のレビュー、関連資料の収集、研究協力者との連絡調整を行った。研究計画の妥当性を検証するために、研究会にて研究計画を発表した。また、2月9日~2月24日までインドネシア、タイ、マレーシアにてパイロット調査を実施した。タイとマレーシアのスポーツ政策立案者を対象に、政策立案者のスポーツにおけるジェンダー規範とジェンダー平等におけるスポーツの役割の認識調査を実施した。またタイ・マレーシアの政府関係者とASEAN事務局や国連機関の地域支部関係者が進めるスポーツを通じたジェンダー平等推進の認識を比較するため、ASEAN事務局関係者、国連機関の地域代表支部関係者へのインタビュー調査も実施した。ASEAN事務局、UN Women ASEAN代表がインドネシアが所在地のため、インドネシアにも出張した。 更に、2020年度にASEAN各国スポーツ政策関係者を対象としたジェンダーとスポーツ政策に関するワークショップが実施されるため、調査の絶好の機会と捉え、当該ワークショップとの連携の可能性を調整している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定の通り、先行研究のレビュー、研究協力者との調整、理論的枠組みの検討を実施することができた。しかしながら、2019年度のパイロット調査の実施時期が遅くなってしまったために、パイロット調査の分析まで完了することができなかった。また、2020年度の調査のデザインについては、ASEAN10か国との比較調査及び研究の妥当性の向上のためタイとマレーシアの政策関係者の認識調査のオブザベーションスタディーができる機会が得られたため、その実施の可能性の検討や方法を引き続き、検討する必要が生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は当初の計画にはなかった、その他のASEAN各国とタイ・マレーシア政府関係者のスポーツにおけるジェンダー認識とジェンダー平等におけるスポーツの役割の比較研究を行うとともに、タイ・マレーシア政府の認識の妥当性を高めるオブザベーションスタディーを実施する。本調査にあたっては、政府関係者のジェンダーとスポーツ政策を実施する主催団体、協力団体と慎重な調整を行った上で行うこととする。また、本調査に向けた更なる資料の収集や分析なども継続して実施する。
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Research Products
(1 results)