2020 Fiscal Year Research-status Report
The Philosophical Research of Totalitarian Sports Instruction
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19K20019
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| Research Institution | Japan Women's University |
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Principal Investigator |
野上 玲子 日本女子大学, 人間社会学部, 助教 (80825224)
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2019-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 全体主義 / 民主主義 / 平和 / ハンナ・アーレント / 思考停止 / 疎外 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本における全体主義的なスポーツ指導の実態を分析することであり、2020年度は研究実施計画に基づいて3件の発表を成果として残した。具体的には、1件の英文による学術論文（査読あり）を発表し、2件の学会発表を行い、いずれも英語による学術誌と口頭発表を成果として残すことができた。
英文による学術論文では、予てから問題視していた日本のスポーツ現場における実態を検討し、権威主義的なスポーツ指導に陥るメカニズムを分析した上で、指導者や選手が「思考停止」に陥る構造を明らかにした。尚、本発表は「Totalitarian Sports Instruction in Japan」と題し、「International Journal of Sport and Health Science」 No.18 pp.215-219. に掲載された。
学会発表では、国際学会1件と国内学会1件、合わせて2件の発表をいずれもオンラインで行った。国際学会では「Sport and Peace：What is Peace in Sport」と題し、国際学会のテーマ「多様な人々が共に生きる世界をめざして：体育・健康・スポーツ科学の貢献」に合わせて、「平和」の観点から民主的なスポーツ指導の重要性を発表した。
国内学会では「全体主義的なスポーツ指導論の検討ー民主主義から全体主義へー」と題し、民主的なスポーツ指導を目指す傍で、民主主義から全体主義へと陥ってしまう構造を分析し、結果として選手が「疎外」されている実態を明らかにした。
以上のように、2020年度は全体主義の構造だけではなく、民主主義との接点を関連させながら、日本における全体主義的なスポーツの実態を詳細に検討することが成果として残すことができた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現時点では、おおむね順調に進展しているが、新型コロナウィルス感染拡大の影響により、2020年度に参加を予定していた「国際スポーツ哲学会」が中止となり、発表および国際的な学術交流の場が無くなり、海外の研究者による意見を聴取することができなかった。しかし、国際誌に研究発表を掲載することが成果として残せたため、引き続き、国内外での発表を積極的に遂行していく。
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| Strategy for Future Research Activity |
現在、「オリンピックと全体主義」と題し、招待論文の原稿を執筆し、本年度の学術誌「オリンピックスポーツ文化研究」第6号（日本体育大学オリンピックスポーツ文化研究所発行）に掲載が決定している。今後は、本研究の集大成としてこれまでの得られた知見を取りまとめ、成果を学会誌への投稿論文として発表する予定である。
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| Causes of Carryover |
2020年度は新型コロナウィルス感染拡大の影響により、国際学会への参加が見送られたため、次年度への使用額が生じた。2021年度も国際学会の開催が危ぶまれているが、開催された場合には積極的に参加したいと考えている。また、国内においてもより多くの知見を獲得するために遠方への学会や研究会にも積極的に参加を予定している。
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