2022 Fiscal Year Annual Research Report
情動知能と運動に対する自己効力感の差による運動時の脳波の違いに関する研究
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19K20049
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
西垣 景太 東海大学, 健康学部, 准教授 (20595889)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脳波 / 運動課題 / 情動知能 / 自己効力感 |
Outline of Annual Research Achievements |
運動の心理的効果は一般的にも広く伝えられており、心理・社会的な発達の視点からも多くの研究がされている。過去の運動経験による影響や短期運動教室での「楽しさ」や「熱心さ」との関連性も明らかにされている。そこで、どのような運動経験から心理・社会的な発達がみられるのかを明らかにしていくため、本研究では生理的指標として脳波(EEG; electroencephalogram)を用いた。運動課題として頭の動きの少ない動作及びクローズドスキルとしてゴルフのパッティング動作を用いて、運動課題前後の脳波の測定を行い、運動前の運動に対する自信の程度やゴルフのパッティングの成功数など前後の心理・生理的指標との関連性を検討した。 脳波測定は、フューテック社製の簡易型脳波計BrainPro(FM-939)を使用し、Analyzer+(アナライザープラス)によりデータを取得し分析に用いた。瞬きや開眼時にもアーチファクト・ノイズが混入しにくいセンサープロ(SEN-PRO)を使用し、センサー電極は10/20法による頭頂部C3・C4、左耳たぶのA1の3部位に装着した。対象とした脳波はα1、α2、βを取得した。 課題前後の各得点比較の結果、β波が実施後に有意に増加、POMS2短縮版の「疲労・無気力」と「活気・活力」が有意に低下した。課題前後の脳波の変化量に影響を及ぼしている要因としては、α1変化量には「緊張・不安」「活気・活力」「学年」、α2変化量には「緊張・不安」「心地よさ」「競技経験年数」、β変化量には「良い気分」が有意に影響した。 運動前後のα1波にはEQSの「自己洞察」「リーダーシップ」、課題後のβ波にはEQSの「自己コントロール」が正の有意な影響、課題前後の脳波の変化量には、α1波にはEQSの「自己コントロール」が負の影響を与えていることが明らかになった。
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