2019 Fiscal Year Research-status Report
Mimicking exerciseを用いたランニングの効率に影響する動作の解明
Project/Area Number |
19K20050
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
関 慶太郎 日本大学, 文理学部, 助手 (90822239)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | エネルギーコスト / バイオメカニクス / 上下動 / キネマティクス / Sledge |
Outline of Annual Research Achievements |
ランニングのエネルギーコストは身体の上昇と身体の推進に関する仕事が大部分を占めると言われていることから、連続ジャンプ中のエネルギーコストの値を用いて、身体の上昇量が異なるランニングにおける身体上昇のためのエネルギーコストを推定することを試みた。その結果、上り傾斜で身体の上昇量が大きくなったとき、身体上昇のためのエネルギーコストも増加することが示唆された。また、身体上昇のためのエネルギーコストとともに、その他のエネルギーコストも増加していた。このことから、ランニング中の身体上昇と身体推進の大部分は支持脚によってなされており、それぞれの仕事を担っている関節や筋を完全に分けることができないことを鑑みると、身体上昇のためのエネルギーコスト増加に伴って、身体推進を始めとするその他のエネルギーコストも増加すると考えられる。 また、身体上昇と身体推進に関わるエネルギーコストをより詳細に検討するため、連続ジャンプの方向を変化させる、Sledgeジャンプの予備実験を行った。予備実験では、Sledgeの角度を確認したほか、エネルギーコストやバイオメカニクス的変数など、測定項目の確認を行った。その結果、血中乳酸濃度はSledgeジャンプでは2.0mMol/lを超えることがなかったことから、Sledgeジャンプのエネルギーコストの測定では、呼気ガスの測定のみでエネルギーコストを推定できると考えられる。一方、バイオメカニクス的変数については、Sledgeのフレーム等が測定の障害となる可能性があり、使用するマーカーセット等を再検討することとなった。また、地面反力は、フォースプラットフォームが当初想定していた仕様と異なっており、下肢キネマティクスを検討できないことが明らかになったため、代替する方法を検討している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ランニングのエネルギーコストのうち、身体上昇のための仕事を占める割合を推定する試みは概ね順調に進んでいる。次年度、国際学会で発表を予定しており、その後、論文にまとめ、投稿する予定である。 Sledgeジャンプの予備実験は予定通り実施できたが、Sledge用のフォースプラットフォームが想定していた機種と異なり、下肢のキネティクスが算出できなかった。フォースプラットフォームを交換することは難しいため、下肢のキネティクスを測定項目から除外し、キネマティクスのみで検討していくことを考えている。これらを踏まえて、次年度本実験を行い、結果を学会で発表することを考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
予備実験と同様に、フィンランドのユヴァスキュラ大学でSledgeジャンプの本実験を実施する予定である。予備実験では、エネルギーコストを推定するために呼気ガスに加えて血中乳酸濃度を測定したが、予備実験の結果から血中乳酸濃度は不要であると判断し、呼気ガス測定からエネルギーコストを推定する予定である。また、バイオメカニクス測定については、Sledgeのフレームで一部のマーカーが隠れることを考慮し、マーカーセットを変更して実施する予定である。新しいマーカーセットはドロップジャンプやリバウンドジャンプを用いて、測定精度は確認済みである。 ランニングのエネルギーコストのうち、身体上昇のためのエネルギーコストが占める割合を推定する試みは、夏に国際学会で発表し、秋頃に論文として投稿することを予定している。また、ランニング中の下肢の動作についても詳細に検討することを予定している。
|
Causes of Carryover |
フィンランドで実際した予備実験の旅費、人件費、物品費が当初の予想よりも安価に済ませることができたため。予備実験でアシスタントがもう1人いた方がスムーズに測定が行えることが判明したため、差額はその人件費に充てる。
|
Research Products
(2 results)