2022 Fiscal Year Annual Research Report
新しい視点の動作解析によるシンスプリントのリスクファクター検証
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19K20052
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
阿久澤 弘 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 助教 (70823300)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | シンスプリント / MTSS / バイオメカニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
Medial Tibial Stress Syndrome(以下MTSS)は,一般的にシンスプリントと呼ばれ,発症するとスポーツ復帰まで平均100日以上かかるとされており,競技能力に重大な影響を及ぼす障害である.そのため,MTSS発症のリスクファクターを明らかにし,予防方法を確立することが非常に重要である.本研究の目的は,MTSSの予防方法確立に必要な科学的根拠を得るために,リスクファクターとなり得る足部挙動を足部各分節間の運動協調性という観点から検証し,MTSS発症との因果関係を明らかにすることである. 2023年度は対象している大学女子ラクロス部の選手を対象に,MTSSの発症状況調査の継続と最終的なデータの解析作業を行った.研究期間を通じて合計66名126足のドロップジャンプ時の足部挙動と運動協調性を測定し,そのうち6名8足にMTSS発症を認めた.MTSS発症群8足と非発症群118足のドロップジャンプ中の足部各分節間の運動協調性を比較した結果,群間に差を認めなかった. Covid-19の流行により部活動が行えない期間があり,MTSSの発症数が少なくなった可能性もあるため,本研究課題終了後も前向き調査は継続し,発症群の数が統計学的に適切な水準に達するまで実施していく必要があると考える. 研究期間全体を通して,横断研究としてMTSS既往群と非既往群のドロップジャンプ中の足部各分節間の運動協調性比較を行った.その結果,MTSS既往群は非既往群よりも後足部の運動が優位に起こっていることが明らかになった.本研究結果は,「Difference in the Foot Intersegmental Coordination Pattern Between Female Lacrosse Players With and Without a History of Medial Tibial Stress Syndrome; a Cross-sectional study」として,Foot and Ankle Researchに掲載されている.
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Research Products
(1 results)