2019 Fiscal Year Research-status Report
スポーツ競技用コートの描写に用いられているラインを利用した新たな動作分析法の開発
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19K20056
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
大島 雄治 立命館大学, 共通教育推進機構, 嘱託講師 (20805171)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | カメラパラメータ / 競技場のライン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,スポーツ競技用コートに描写されているラインの幾何学的特性を利用して3次元動作分析可能なカメラパラメータを算出する手法を提案することである.また,理論的には,幾何学的な特性が既知のラインと3次元実空間座標値が既知の特徴点(以下,既知の点とする)1点が画像に撮影されていれば,画像撮影時のカメラパラメータを算出することが可能である.そこで,まず,陸上競技場の曲走路を対象にして,レーンを区切るラインと400mハードル走の障害を設置する位置に描写されている既知の点1点を画像に写るように撮影(実験1)を行い,その画像からカメラパラメータを算出した.しかし,撮影した画像の分解能や陸上競技場のライン自体のわずかな誤差が影響し,精度の高いカメラパラメータを算出することができなかった. そこで,計測範囲外にある既知の特徴点を撮影した複数枚の画像と計測範囲を撮影した画像から計測範囲撮影時のカメラパラメータを算出するアルゴリズムを考案し,再び実験を行った(実験2).なお,曲走路には計測範囲外の既知の点が少ないため,実験2では,陸上競技場の直走路を撮影した.2台のカメラについて,撮影した画像からカメラパラメータを算出した結果,左右方向に1.17 m,進行方向に8 m,鉛直上向き方向2.2 mの計測範囲に対して,従来の方法と同程度の精度で3次元を再構築することができた(0.01m前後の差). 以上のことから,計測範囲に立ち入り,既知の点を設置する作業(較正作業)を行うことなく,陸上競技場の観客席などにカメラを設置するのみで,3次元動作分析が可能になると思われる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験1で用いた手法では,精度の高いカメラパラメータを算出できなかったが,新たなアルゴリズムを考案し(実験2で用いた方法),その手法により,計測範囲内のラインと既知の点1点から精度の高いカメラパラメータが算出可能であることを確認することができた.このことから,おおむね順調に進展したと考えらえれる.
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度では,曲走路での実験を行い,考案したアルゴリズムが曲走路でも用いることができることを確認する.また,令和1年度で得られた成果を学会発表し,学術論文に投稿する.
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Causes of Carryover |
本研究の開始時点に考えていた手法では,正確なカメラパラメータが算出できなかった.そのため,予定していた学会での発表を取りやめたことから,次年度使用額が生じた.令和2年度は,研究成果の発表に伴う費用(論文投稿,学会発表),実験に伴う謝金および消耗品として使用する.
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