2019 Fiscal Year Research-status Report
「美しさ」を求めた特異な足関節底屈へのヒトの適応を探る
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19K20058
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
新井 彩 同志社大学, スポーツ健康科学部, 助教 (90611319)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 歩容 / 美しさ / 印象評価 / 足関節底屈位 / 筋腱形態 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,美しい歩容と足関節底屈位に対する適応とその補償,これらの特長と副作用的側面とを調査および実験的に明らかにすることを目的としている. 2019年度は,日常生活動作である歩行の印象を決定づける要因についての検討を進めた.美しい歩容と評価される要因を検討するため,意図的に速度や歩幅の条件を変化させた歩行のサンプルデータを作成することを試みた.抽象化するためにスティックピクチャ等データから作成された動画を用いて印象評価をさせようとしたが,抽象化されすぎていることによって歩容を評価することの難易度が高まる傾向が認められ,本来の目的が達成し辛いことが浮きぼりになった.そこで,ヒトが実際に歩いている自然な歩行映像を用いた印象評価を一般成人女性を対象にし,ビジュアルアナログスケール(VAS)にて評価させた.これらの評価の妥当性についても今後十分な検討が必要であるが,興味深いデータが得られている. 歩容がより美しいを評価された歩行では,歩幅が一定の長さ付近に集中していた.身長に対する歩幅の割合が美しさの評価に影響を及ぼすとの仮説を持っていたが,実測値がこの付近であることが美しいと評価される傾向であることが明らかとなった.しかしながら,その他の要についても検討の必要がある.現在これらのデータについては発表準備中である. 本研究で注目している足関節底屈位を強いるヒールの高いシューズを履くことは,一定程度身長や脚長を割り増しして見せる効果があるが,これらの効果と美しいを評価される歩容の要因とは,今後の調査,実験にて複合的に明らかにしていく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
評価に用いるサンプルデータの作成やその妥当性の検証に時間を要したため,全体的に進捗が遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後,ヒトを直接測定する実験を計画しており,2019年度にその予備実験を一部行う予定であったが,やや進捗が遅れていたため十分な準備ができていない.また,2020年3月から,被験者を用いた実験が感染症の蔓延により実施できない状況が続いているため,2020年6月時点で実験の見通しが立っていない.実験の実施が可能になった段階から随時始めていきたい.
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Causes of Carryover |
必要備品,物品の購入を計画的に行ったが,予定より価格を抑えることができた項目があったため,残額が生じた.2020年度は,測定や分析に係る物品,消耗品,人件費を中心に使用する予定であり,残額についてはこれらの消耗品類の購入に充てる.
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