2020 Fiscal Year Research-status Report
対戦型スポーツにおける一流選手の対応能力に関する研究
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19K20064
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
城所 収二 福岡工業大学, 付置研究所, 研究員 (20756118)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | プロ野球 / 打撃 / スイング速度 / タイミング / 1軍選手 / ファーム選手 |
Outline of Annual Research Achievements |
プロ野球は、国内野球の最高峰に位置しているが、その中からさらに1軍で活躍し続けられるのはほんの一握りの選手のみである。1軍選手とファーム選手の違い、という漠然としたキーワードは、興味の対象として注目度が高いが、試合のシチュエーションとはかけ離れた実験的な計測環境で浮かび上がってくるものとは限らない。その一方で、実験環境での計測においても類似点や相違点が分かれば、最低限必要な技術や練習時の目標の目安が見えてくるはずである。そこで、当該年度は、プロ野球選手を対象に、1軍選手とファーム選手の差に着目して計測を実施した。ある1球団に所属するプロ野球選手41名が打撃の計測に参加した。2021年シーズン開幕時点で1軍に選手登録された14名を1軍選手、それ以外の27名をファーム選手として群分けした。すべての打者が、アーム式のピッチングマシンにより投じられたボールを、普段通りのスイングで20球打ち返した。動作中の身体運動、ならびにボールとバットの運動を、各種センサとハイスピードカメラにより記録した。最もシンプルなスピードの項目を比較すると、スイング速度の平均値(Blast motionにより計測)に有意差はなく(1軍:108.6km/h、ファーム:108.1km/h, p=0.776)、同様に打球速度の平均値(ハイスピードカメラを用いて3次元解析)にも有意差は認められなかった(1軍:144.0km/h、ファーム:139.9km/h, p=0.138)。バットを振る能力やバットの芯でボールを捉える能力は、ストレートを一定のリズムで投げられる練習環境では差となって現れてこなかった。打球速度を変動させる要素の大部分がタイミングなため、今後の方向性としては、球種をミックスさせるなど、実戦的な要素を含んだシチュエーションで打者のタイミング戦略を計測していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度中に予定していた計測を実施しきれなかった。そのため、研究期間を1年延長した。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度実施予定だった計測の目途が立ったため、2021年度の前半に計測を完了できる見込みである。その後は、解析作業と学術論文の執筆を進めていく。
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Causes of Carryover |
被験者への謝金の支払いや、学会発表等旅費の支払いが生じなかったため。その分を、2021年度の学術論文の掲載費や、英文校正費に充てる予定である。
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Research Products
(2 results)