2021 Fiscal Year Research-status Report
骨格筋電流刺激を用いた単一筋ダイナミクスの変化に対する運動適応の解明
Project/Area Number |
19K20067
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
萩生 翔大 京都大学, 人間・環境学研究科, 准教授 (90793810)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 運動学習 / 筋骨格モデル / 筋電図 / 二関節筋 / 等尺性力発揮 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、筋疲労など身体内部の環境の変化に対する運動の適応性を明らかにすることを目的として研究を実施してきた。当年度は、単一筋の状態を細かく操作するための実験系として、実時間で取得した筋電図の信号を入力して仮想の身体を操作する筋電制御システムを構築した。
操作する仮想の身体は、片側上肢の筋骨格モデルとし、肘関節屈曲-伸展筋、肩関節屈曲-伸展筋および屈曲-伸展側の二関節筋の計6筋群によって駆動されものとした。各筋群の長さ・モーメントアームなどの変数は、Opensim(Delp et al., 2007)から取得した。モデルは、実時間で取得した筋電図(上腕筋・上腕三頭筋外側頭、三角筋前部・三角筋後部、上腕二頭筋長頭・上腕三頭筋長頭)の信号をもとに制御した。実験課題は、筋電図の信号を制御し、モニターに表示された仮想の腕の手先をターゲットまで到達させるものとした。この時、実際の被験者の腕は動かないように固定した。課題の途中で、特定の二関節筋の出力を低くするといった摂動を与え、運動や筋活動の適応過程について調べた。本年度は、本実験システムを構築し、予備実験を通してその有用性について検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画通り、筋電制御システムを用いた実験系(「研究実績の概要」に記載)を構築し、予備実験を実施することができた。また本研究課題の達成には、身体運動を変化させる内発的な要因についても明らかにする必要がある。そのため、年度計画にはなかったが、繰り返しの運動のパフォーマンスを変化させる内的要因を明らかにすることを目的とした実験及び統計的手法の開発(「今後の研究の推進方策」に記載)についても同時に進めた。今後は、筋電制御システムを用いた実験と並行して、遂行していくことを計画している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに構築してきた筋電制御システムを用いて、単一筋への摂動に対する運動や筋活動の適応過程を明らかにするための本実験を実施する。また、本システムを上肢の運動から直立姿勢制御などの課題に拡張することについても計画している。
同時に、繰り返しの運動のパフォーマンスを変化させる内的要因を明らかにすることを目的とした実験及び統計的手法の開発についても進めていく予定である。運動課題は、最大努力下でのカウンタームーブメントジャンプを100回とし、課題中、運動学データや床反力データ・筋電図データを取得する。十分に休憩を挟んだ最大努力下でのジャンプ動作であるが、試行間で跳躍高は大きく変動し、最大10cmほどの変化が生じた。こうした試行間変動を生じさせる内発的要因を明らかにするため、統計的手法を用いて跳躍高に直接影響する運動変数を算出する。現在、予備実験および統計的手法の開発を進めているが、今後は本格的に本実験を実施していくことを計画している。
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Causes of Carryover |
当年度、新型コロナウイルス感染防止のため、実験実施の時期や出張を伴う研究計画の一部を次年度に変更した。そのため、当初予定していた実験にかかる消耗品・備品購入、および出張にかかる旅費は翌年度分に請求することを計画している。
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[Journal Article] Muscle synergies of multidirectional postural control in astronauts on Earth after a long-term stay in space2022
Author(s)
Shota Hagio, Akihiko Ishihara, Masahiro Terada, Hiroko Tanabe, Benio Kibushi, Akira Higashibata, Shin Yamada, Satoshi Furukawa, Chiaki Mukai, Noriaki Ishioka, Motoki Kouzaki
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Journal Title
Journal of Neurophysiology
Volume: 127(5)
Pages: 1230-1239
DOI
Peer Reviewed