2019 Fiscal Year Research-status Report
子どもの水への恐怖心を克服する効果的な指導方法の確立
Project/Area Number |
19K20068
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
金沢 翔一 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (50710688)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 水嫌い / 恐怖感 / 水慣れ / 小学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
水泳指導では泳法を学ぶ前段階の水慣れの中で、水に対する恐怖心をどれだけ克服することができるかが重要である。そこで本研究課題では、水が苦手な子供に主眼を置き、特に水に対する恐怖心の原因を明らかにし、その原因を克服するための指導方法の確立を目指す。具体的には、子どもの水への恐怖心の要因の検討およびその要因の明確化、これまでの水慣れ指導方法の有効性の検討、泳ぎが苦手な子どもを対象に水への恐怖心を克服するための指導効果の確立のステップを経て明らかにする。当該年度では、まず水への恐怖心の要因について明らかにするために、水への恐怖心の要因に関する資料収集を行なった。その結果、何かしらに恐怖心を持っている人の多くは幼児期に発症していることが明らかになっている。さらに水への恐怖要因は遺伝的要因と経験的要因に分けることができることが明らかにされている。つまり、幼児期において恐怖心を取り除くことがその後の泳法習得に対して有効な手立てである。さらに水慣れとして身に付けておくべき内容として、顔を3秒以上水につける、伏し浮きから立つなどの技能が挙げられておりそれらの技能習得に向けた指導法の確立が必要である。それらの知見を基に予備調査を行ったところ、令和2年度以降の研究に有益な知見を得ることができた。以上のことから、「水に対する恐怖心の要因とは何か?」「水に対して恐怖心を抱く子どもには、何を指導すべきなのか?」という研究課題の核心をなす学術的問いの一端を明らかにすることができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
文献取集及び指導方法の検討については一定の成果があったと考える。しかしながら申請者自身が交通事故により負傷(骨折)してしまったため、指導方法の検討については、正確なデータを取得することができず、予備調査に留まってしまった。予備調査の結果から、水への恐怖心を克服する上で有効な教材や教具の存在が明らかになったことは、今後の研究に活かせる地検であると考える。さらに質問紙作成についても新型コロナウイルスの影響で学校が再開されず、一次調査を行うことができなかった。学校再開後、一次調査及び二次調査を行い質問紙を作成していきたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度以降は、まず質問紙の作成を行う予定である。具体的には質問項目の検討に加え、尺度の妥当性、信頼性、内的生合成などの観点から統計的な検討を行い質問紙を行う。指導方法の検討については、依頼先の小学校では、打ち合わせの際に本年度水泳の授業を行わないという方針を伝えられた。したがって、本務校で行なっている公開講座にて昨年度の予備調査で得られた知見から指導方法の効果について検討を行なっていく予定である。
|
Causes of Carryover |
昨年度末に行う予定であった質問紙作成に向けた調査が行えなかったため。なお、質問紙作成を2020年度に実施する予定である。現在関係機関と調整中である。
|