2019 Fiscal Year Research-status Report
運動能力の維持と熱中症予防のためのアスリートの栄養管理に関する調査的研究
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19K20070
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
山下 直之 京都工芸繊維大学, 基盤科学系, 助教 (70800738)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 熱中症 / 栄養摂取状況 / BDHQ / 生活習慣 / スポーツ活動 / 部活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は夏季スポーツ活動中に発生する熱中症に関連する病的症状や自覚的な体力低下に関係する栄養摂取状況、生活習慣、練習環境の要因をアンケートから明らかにすることが目的である。 令和元年度は大学生2064名および高校生330名を対象に、夏季スポーツ活動中の熱中症発生や体力低下と生活習慣に関する調査を実施した。質問項目は、回答者の特徴(性別、年齢、身長、体重、競技種目等)、夏季の睡眠(睡眠時間、睡眠の質、エアコン使用)、夏季の練習(練習頻度、練習時間、休憩頻度、飲水頻度)、病的症状(めまい・立ちくらみ、頭痛、吐き気、倦怠感・脱力感)、体力低下(筋力、持久力、瞬発力、やる気、集中力)、練習環境(練習時間が長すぎる、休憩が少ない、暑すぎる、湿度が高すぎる、日差しが強い、風が弱い、ウェア(プロテクターを含む)が暑いと感じる)、体調(食欲不振、睡眠不足、風邪などの病気、下痢、脱水感、疲労蓄積、精神的ストレス、月経)を調査した。病的症状の発生と関係のある要因として、「体調」では「食欲不振」、「睡眠不足」、「風邪などの病気」、「下痢」、「脱水」、「疲労蓄積」が、「練習環境」では「休憩が少ない」、「暑すぎる」、「ウェア(プロテクターを含む)が暑いと感じる」が抽出された。 さらに熱中症の発生と栄養摂取との関係について検討するために、自記式食事歴質問紙法調査(BDHQ)を用いて夏季の栄養摂取状況についても調査した。その結果、熱疲労発生群では、たんぱく質、炭水化物、ナトリウム、マグネシウム、亜鉛、ナイアシンの栄養密度が有意に低かった。以上の結果から、練習前に上述の「体調」や「練習環境」で抽出された要因を感じている場合には熱中症発生の危険性が高まることが示唆された。さらに、栄養摂取については、熱中症の発生を予防するためには栄養組成に注意する必要があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は大学生を主な対象として調査を実施したが想定よりも非常に多くの回答を得られた。熱中症と生活習慣に関する調査や栄養解析については順調に解析が進んでいるものの、高校生を対象とした調査の回収数が当初の研究計画よりも下回ったため「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は、令和元年に残った解析の一部を行うとともに、引き続き大学生および高校生の調査を実施する。令和2年年度は高校生を中心に調査を展開する。高校生を対象とした調査では、令和元年度に依頼した教諭から他校の教諭を紹介していただけたため調査範囲を拡大できる見込みである。
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Research Products
(2 results)