2019 Fiscal Year Research-status Report
体組成測定データを用いた発育状態の可視化が成長期の運動習慣形成に与える効果の研究
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19K20071
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
小原 久未子 近畿大学, 医学部, 助教 (60778455)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 体組成 / 発育 / 運動習慣 / 成長期 / 疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
運動習慣の形成は健全な成長や生活習慣病予防に寄与するが、そのための行動変容については学校での健康教育による効果はあまり見られていない。これは教材を用いた健康教育では、一般知識として理解できても自分の問題として認識しにくいことによる。骨・筋・脂肪等から構成される体組成は、正確に測定されれば運動習慣や発育状態を直接反映するため、児童も自らの発育状態を把握し、現在の運動習慣が適切であるかを確認できる。従って、本研究では、体組成測定結果を用いて運動習慣の形成を促進し、その効果を明らかにすることを目的として調査を行った。 本年度は、兵庫県姫路市の小学4年生168名を対象として調査を行った。その内、調査への参加に関する同意が得られた児童は121名(72%)であった。同意が得られた児童の内、欠席者を除く、119名(男子62名、女子57名)を対象に、二重エネルギーエックス線吸収測定法(DXA法)による体組成測定装置(Hologic社、QDR4500)を搭載したバスを学校に持ち込み体組成測定を行った。対象者はDXA法測定装置検査台に、一人当たり3~5分間臥床し、撮影を行った。本研究は近畿大学医学部倫理委員会の承認を得て実施した。また、体組成に関連する生活習慣を検討するため、生活習慣に関するアンケート調査も実施した。アンケートは、運動習慣や運動への意欲、身体活動量、食習慣、睡眠習慣、ゲーム等メディアの使用、ダイエット経験等を調査した。 本研究は、今後2年間にわたって同様の測定・調査を行い、対象者を追跡する予定である。また、採取したデータについては、次年度以降のデータと合わせて解析を進める予定である。これらにより、本研究目的を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、計画していた兵庫県姫路市において、体組成測定およびアンケート調査を実施できた。対象校となった児童の参加率は71%であった。また、対象となった学校とも事前の打ち合わせおよび事後のフォローも含め、おおむね計画通りに遂行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は2020年度、および2021年度まで測定・調査を行い、2019年度の調査結果と合わせて3年間で得た結果を総合的に解析する予定である。2019年度はおおむね計画通りに遂行できたため、2020年度、2021年度も同様に計画を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
次年度も体組成測定を行うが、体組成測定は1日当たりの単価が高額である。そのため、測定希望者が予想よりも増加した場合には、測定日数を今年度よりも多くとらなければならず、体組成の予備日を多めに設定する必要があり、次年度にある程度の金額を繰り越しする必要がある。体組成測定(4~5日程度)に110万円程度、測定の旅費に15万円程度の使用を予定している。
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