2019 Fiscal Year Research-status Report
重心制御に着目した育発発達期における調整力を定量化する試み
Project/Area Number |
19K20075
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
川端 悠 大阪府立大学, 高等教育推進機構, 准教授 (20713390)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 調整力 / 姿勢制御 / 子ども |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトの身体活動の多くは地面反力を利用した重心制御能力が関与している。重心制御能力の研究には足圧中心(Center of Pressure: COP)動揺が変数として利用されている。これらの研究は成人もしくは転倒予防を目的とした高齢者を対象としたものが多く、発育発達段階にある子どもの重心制御に関する研究は数少ない。 本研究は、発育発達段階の子どもを対象に『目で捉えた目標にCOPを移動(追従)させる視標追従型動的バランステスト』によって、随意的重心制御の正確性、すなわち調整力を検討する。そして、子どもの調整力評価のための基礎的資料の作成を4カ年で試みている。初年度はCOP最大移動距離(LOS)の測定と視標追従型動的バランステストが同一機器で実施できるハードとソフトの開発(改良)を行った。被験者が測定器上のどこに立っても原点を基準に測定ができるよう安定立位時のCOP位置を原点とし、LOSを測定すると自動的にCOP追従範囲が決定され視標追従型動的バランステストが行える。特に原点調節機能によって、測定器のどこに立っても原点から測定が行えるため立ち位置に自由度が生まれ測定時間の短縮が可能となった。ただし、測定画面の見やすさと入力作業についてはトライアルであるため、マイナーアップデートが必要であるが試行間信頼性も保証され、2020年度は効率的なデータ収集が行える。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
懸念としていた機器開発が、当初のイメージどおり行え効率的な測定は可能となった。特に測定効率のアップにより、被験者の負担軽減が達成できたことは大きな成果であった。この機器を使用することにより、足長に関わらず重心制御能力を測定できるため、これまで検証されていなかった子どもの姿勢制御特性を明らかにすることが可能となった。ただし、新型コロナウイルス感染症拡大防止策が全国的に実施されているため、測定スケジュールの大幅な見直しが必要となった。そのため、測定は2020年度下期から開始せざる得ない状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまで、視標追従型動的バランステストにおける移動視標の移動幅は原点±3cmで実験を行なってきたが、足長によって相対的移動量は個人間で異なるため移動視標の移動幅は相対的に設定する必要がある。そこでLOSの5%、10%、15%、20%、25%(足長20cmの場合、COP追従範囲は原点±1~5cm)をCOP追従範囲とし、視標追従型動的バランステスト(改良版)の試行間信頼性を検討する。5%~25%のうち安定した測定値が得られるCOP追従範囲を検討しテスト方法を決定する。対象は児童90名を予定。測定開始時期は2020年度下期を予定している。
|
Causes of Carryover |
アプリケーションソフトがまだ、試作段階である。 よって、2019年度中の代金支払いがなかったため。
|