2019 Fiscal Year Research-status Report
a comparative study of Japanese and American junior high school health & physical education curriculum theory and its practice feeling using qualitaive content analysis method
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19K20077
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Research Institution | Ikuei University |
Principal Investigator |
和田 博史 育英大学, 教育学部, 講師 (80739079)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 保健体育科 / 体育科教育学 / カリキュラム / 日米比較 / 質的内容分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の1年目では、体育カリキュラムの拡大化と逆向き設計によるパフォーマンススタンダードと多様な指導モデルは、日本の中学校保健体育に質のある体育授業改善をもたらし、生涯スポーツの振興を促進するのか文献から仮説を立案することであった。そのため、3点研究を実施した。 1点目は学会レベルでの予備調査である。第24回日本体育科教育学会ラウンドテーブルとAIESEPでのポスター発表 in NYにて意見交換や情報収集を実施した。2点目は、英語圏の体育カリキュラム論や実情を理解するための文献翻訳である。具体的には、CDRによるPECAT(体育カリキュラム分析ツール)、OECDによる『2030教育の未来』、Lundらの『スタンダードに基づく体育カリキュラムの展開3版』、Hastieらの『効果的な体育プログラムの構築』、Siedentopらの『スポーツ教育の完全な案内3版』、Shape Americaによる『PE-METRICS3版』等を文献収集して翻訳及び検討した。3点目は、日本のカリキュラム論の展開を整理するための文献収集及び検討であった。具体的には、石井による『現代アメリカにおける学力形成論の展開』、渡部による『主権者教育論』、日本カリキュラム学会による『現代カリキュラム研究の動向と展望』などカリキュラム論に関する文献収集及び検討であった。 本年度の段階では、以下のような暫定的成果を確認した。予備調査では、日本の学校現場の先生方や研究者は運動領域の内容が専門的過ぎることや過多であると感じられており、これ以上の変革には抵抗感がみられた。また、国際的な体育研究の動向では思考判断を重視した体育よりも社会性を育むことに重点がおかれていた。また、逆向きカリキュラム設計やスタンダードに基づくパフォーマンス評価に関する短所も明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の課題は、文献における日米の中学校保健体育カリキュラム論の比較検討でインタビューガイドを作成することであった。日米での予備調査が実施でき、アメリカ体育に精通した研究者とも交流を深め、研究が肌で感じたことについて理解を深めることができた。しかしながら、カリキュラム論の整理や翻訳・分析作業に関して、対象文献を増加させ、インタビューガイドの作成については再検討が必要な段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、以下の3点の研究に取り組む。1点目は、高橋健夫の体育カリキュラム論を整理することである。2点目は、その影響について女子大学生の学習内容の習得状況と生涯スポーツの実施率についての関係を検討し、論点を整理することである。3点目は、日米の保健体育カリキュラム論に関する対象文献を比較検討してインタビューガイドを作成することである。4点目は、スポーツ教育モデル適用者における力量形成過程である。なお、コロナウイルスの感染拡散防止策により、アメリカでのインタビューが実施できないため、本年度はインタビューガイドの再検討や仮説の補強を中核とした研究に取り組む予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウイルスの関係で予定指定していた学会に参加できなくなった。 今後は、ICTに関する物品面などを強化して研究を成功させたい。
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Research Products
(4 results)