2021 Fiscal Year Research-status Report
a comparative study of Japanese and American junior high school health & physical education curriculum theory and its practice feeling using qualitaive content analysis method
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19K20077
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Research Institution | Ikuei University |
Principal Investigator |
和田 博史 育英大学, 教育学部, 講師 (80739079)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | スポーツ教育 / 生涯スポーツ / 体育科教育 / 質的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本の中学校保健体育カリキュラムの発展に向けて、アメリカ体育における生涯スポーツの促進と真正の教育へ導く授業改善を検討することであった。本年度は、SHAPEアメリカのナショナルスタンダードをすべて翻訳し、日米の保健体育カリキュラムの比較検討の成果を、専門誌『体育科教育』の2022年4月号にまとめ周知することができた。SHAPEアメリカのナショナルスタンダードは幼稚園から小学5年生までと小学6年生から中学2年生、中学3年生から高校3年生までの3区分を用いていた。第1区分ではスキル習得に重点があった。第2区分はバランスよく内容習得が求められ、第3区分では健康促進のスキルと知識に焦点があるカリキュラム構成であると解釈した。
また、大学生における生涯スポーツの実施率及び中学校や高等学校において受けてきた体育カリキュラムの特質や学習内容についてアンケート調査を用いて明らかにすることができた。具体的には、大学生89名中39名が週2回30分以上の運動を行っており、高等学校の学習指導要領保健体育編で示されている学習内容の習得と運動実施率については相関がみられなかった。ただし、現在、運動実施中の大学生は、必ず運動部活動の経験を有していたことが分かった。さらに、大学におけるスポーツ活動の充実度が高校段階よりも低下している実態が明らかにされた。 なお、コロナ過のため、アメリカ体育の実地調査を断念し、日本の体育論を整理する一端として高橋健夫の体育論の展開について文献整理を行った。具体的には高橋は、体力主義体育の批判を出発点として、生活体育論とシーデントップの体育論に関する分析力や科学化を中心に受容し、それらの体育論の課題解決に向けた展開がったと整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ過によって軌道修正した研究計画において、本年度の課題は(1)高橋健夫の体育カリキュラム論の整理、(2)モデルベースのカリキュラム論とアメリカのナショナルスタンダードの関連や効果についての検討、(3)インタビューガイドの作成であった。 そのため、(1)及び(2)はおおむね実施できたが、モデルベースのカリキュラム論の検討不足とインタビューガイドの作成の再検討が必要な状況である。ただし、コロナ過においてもようやく日本における研究予定校が決定し、現段階の生涯スポーツを促進する体育授業改善について事例調査を行える環境ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、以下の研究を実施予定である。 まず、最新の第3版スポーツ教育モデル(Siedentopら,2019)の翻訳を実施し、研究授業実施校と協議して学校や教師や子どもの実態に応じた指導計画を作成する。同時に、インタビューガイドを作成し、現在の中学校の学習指導要領保健体育編に対する(1)学習内容の習得や授業改善に対する実感、(2)生涯スポーツの振興に対する実感について、質的に明らかにする。 次に、インタビューガイド及びアンケート調査によって、スポーツ教育モデルの実施に対する教師及び生徒の実感を明らかにする。
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Causes of Carryover |
コロナ過で海外調査研究ができなかったため、出費が少ない状況となっている。 次年度もしくは再来年度に、コロナ対策が落ち着けば海外調査を検討している。その他にも、次年度は授業研究を実施し分析をするため、謝礼金や分析ソフトを購入する予定である。
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Research Products
(1 results)