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2021 Fiscal Year Research-status Report

通常学級に在籍する特別な教育支援が必要な生徒に通じる球技指導方略の検討

Research Project

Project/Area Number 19K20081
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

伊佐野 龍司  日本大学, 文理学部, 准教授 (00734112)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
Keywords参与観察 / 構成 / 身体性 / 実践的知識
Outline of Annual Research Achievements

2021年度に実施した内容は以下、二点に集約できる。第一に「フィールドワークの実践」である。その結果、昨年度はCOVID-19の影響により、半期のみ実施であったが、今年度は一年間に渡り、通常学級に在籍する特別な教育支援が必要な生徒が在籍する学校の体育授業に参与観察を実施した。昨年度に観察された生徒と教師で営まれる中で構成された規約の体系を再確認することができた。また、その構造は教師が学校の仕組みを意図的に活用する能動的な働きかけと共に、その背後で働く無意識の働きかけによって成り立っていることも読み取ることができた。さらに、教師が設定する単元の配列や系統性、さらに単元に通底する習慣的な取り組みなどは、一年間の観察を実施することで分析可能であった内容であると考えられる。第二に、「知見の発表」である。本研究は、通常学級に在籍する特別な教育支援が必要な生徒が在籍する生徒にも適応可能な球技指導の方略の提出を企図しているが、その拠り所として上記の観察から得られた知見のほか、教師によって能動的に構成される実践的な知識を踏まえる必要がある。そこで、教師の実践知開示を企図した定期的に研究会を開催し、観察校に勤務する教師が有する実践的知識を、協議を通じて収集した。この研究会が指導現場から離れた省察として機能し、教師の学びとしても有効であったために、当該機能が今後の教師の学びとしても必要であることをまとめて論文として提出した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

年間を通じてフィールドへの参与を実施することができた。昨年度後期から継続して参与できているため「余所者」としての立場が明らかに軽減しているように感じ取れる。従来の計画であれば、これらの手続きを踏まえて、2年目に実施予定であった年間を通じての観察を3年目に実施することができた。また、本研究において開示を試みるスペースの構造についても、ボールゲームに参画するプレイヤーにどのような身体図式が形成されているのか分析する必要があるため、資料収集・借問を終了し、現象学的運動分析の立場から現在論文を執筆中である。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究の推進は、大要2点である。第一に、「研究上の問いの解決」である。昨年度を通じて実践した観察によって、明らかなスペースが生じていることはないが、その萌芽とも言える現象を確認することができている。そのため、その現象が生じたことについて現象学を背景に検討することで、本研究が設定した問1「ゴール型ボールゲームにおけるスペース」、問2「他者の意図に共感することが難しい生徒にスペースの創出は可能か」の解決に寄与すると考えている。また、これを明らかにする過程で教師の顕在的・潜在的な指導方略も読み取ることができたため、上記同様の立場から検討することで、問3の解決に関わる検討が可能になると考える。第二に、「成果発表」である。研究上の課題として設定した内容の論文執筆を図る。現在、問1の解決に関わるボールゲームに参画するプレイヤーにどのような身体図式が形成されているのか分析した論文を執筆し、投稿予定である。また、問2及び3に関わる通常学級に在籍する特別な支援を有する生徒に対する教師の指導性を踏まえた内容の執筆を予定している。

Causes of Carryover

当初の計画では2及び3年目に学会大会に参加する予定であったが、新型コロナウィルス(COVID-19)の感染拡大防止の観点から、多くの学会が延期及び中止となった。また、海外発表を試みていたが、諸外国において開催される学会においても同様に中止となった。これらの学会に参加・発表するために予算を計上していたが、それらを使用することができないことが、次年度使用額が生じた最大の理由である。これらの使用計画として大要3点にまとめることができる。第一に、「旅費交通費」である。従来、参加・発表予定であった学会については情勢や研究成果の内容を精査する。また、フィールドワークの実施においては引き続き、実施予定のため、旅費交通として支出する。第二に、「論文投稿・研究発表に関わる費用」である。論文投稿において必要となる投稿費、英文のネイティブチェック、抜刷り等の費用として支出する。第三に「資料購入及び依頼費用」である。国内書籍及び海外書籍の購入費用に支出する。また、それらの海外文献について和文翻訳依頼費用に支出を計画している。とりわけ、英文の他、独文・仏文等の翻訳に費用を充足する予定である。本研究が拠り所とする現象学的人間学の資料には独文・仏文の資料が確認される。以上、3点であるが、その他にも研究上必要な消耗品や資料精査に必要な物品購入に支出を計画している。

  • Research Products

    (2 results)

All 2022 2021

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 2 results)

  • [Journal Article] 保健体育教師の養成・育成を企図した実践から捉える大学との連携の意義2022

    • Author(s)
      伊佐野龍司・阿部滉
    • Journal Title

      大学地域連携学研究

      Volume: 1 Pages: 5-13

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] 役割分担を内在する機能共同体的な文化の学習に関する考察―状況論とゲーム構造論に基づく教科的合理的配慮―2021

    • Author(s)
      土田了輔 ・伊佐野龍司
    • Journal Title

      教師教育と実践知

      Volume: 6 Pages: 13-19

    • Peer Reviewed / Open Access

URL: 

Published: 2022-12-28  

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