2022 Fiscal Year Annual Research Report
通常学級に在籍する特別な教育支援が必要な生徒に通じる球技指導方略の検討
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19K20081
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| Research Institution | Nihon University |
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Principal Investigator |
伊佐野 龍司 日本大学, 文理学部, 准教授 (00734112)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 身体 / 図式化 / 構造分析 / 発生分析 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
令和元年から3年にかけて，教育的支援が必要となる生徒が集まる通信制高等学校において参与観察を実施した．その調査結果から，球技指導を通じて生徒の関係性構築を図る体育教師の実践知を明らかにした．令和4年度はこれまで明らかとしてきた知見を補完する研究に着手した．その内容は以下，二点に集約できる．第一に「知見の投稿」である．本研究は，人々の身体に通底する意識・共感の仕組みを解決の拠所としてスペースの構造を再考し，特別な教育的支援が課題を必要とする生徒にも適応可能な球技の指導方略を提示することを目的とした．この目的にアプローチするために，3年目までに特別な教育支援が必要な生徒が集まる通信制高校の体育授業を対象に参与観察を実施した．そこでは，スペースを意図的に創出する以前の，パスの出し手と受け手の間の関係が構成される過程が読み取れた．一方で，その関係がどのような運動感覚意識として図式化されているのか課題が生じていた．そこで，ゴール型ボールゲームにおける「ボールを持たないときの動き」の身体図式を現象学的運動分析の方法を用いて呈示することに着手した．特に，ボールを受けるまでの準備局面における現象学で用いられる構造分析と発生分析を試み，能動的な意識とその背後で働く層構造を成した情況投射化身体知における身体図式を呈示することに成功した．この知見を援用することで，本研究が目的とする球技の指導方略を適用する教師の力量の形成に貢献することになる．なお，当該研究論文は執筆が完了・投稿済みであり，現在審査中である．第二に，「知見の精査」である．現在の研究動向と共に本研究の着目点や成果の独自性を把握するために学会に参加し，他の研究者との意見交換や動向を確認した．とりわけ，本研究が問題にする内容は心理学的アプローチ主として用いられていることが明らかとなった．
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