2022 Fiscal Year Annual Research Report
小学校児童の逆上がり及び後方支持回転動作を改善するための学習指導方略の開発
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19K20086
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
針谷 美智子 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 助教 (80826149)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 小学校体育 / 鉄棒運動 / 学習指導プログラム / 観察的評価 / 逆上がり / 足抜きまわり / 事例的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、鉄棒運動の「逆上がり」及び「後方支持回転」に着目し、体育授業における小学校中学年児童の動作を改善するための学習指導方略を開発することを目的に研究を進めた。 2022年度は、2021年度に実施した実践授業の分析及び授業実践に取り組んだ。 2021年度の実践授業は、新潟県内の小学校にて3年生47名を対象に逆上がりの獲得や動作の改善を目指した6時間の鉄棒運動の単元を実施し、①単元前後の児童の技能の変容、②逆上がりと下位教材の達成率の相関関係、③本実践中に逆上がりができるようになった児童の学習活動の様子(事例的研究)から検討した。なお、技能については、児童の動きを観察的に分析し、評価した。 本報告では、②及び③について述べる。逆上がりと下位教材の達成率の相関関係から足抜き足抜き回りの後方回転と逆上がりは、類似する動きが含まれていると考えられることから逆上がりに先立って足抜き回りを学習しておくことが望ましいことが推察された。また、実践授業中に逆上がりを達成した児童の学習活動の様子から単元はじめの段階で基礎的な力・感覚を身に付ける動きを十分に習得していなくても、繰り返し運動に取り組むと徐々にできる動きが増えること、逆上がりの学習では振り上げる足、蹴り足ともに徐々に高く上がるようになり、足が振り上がるようになることで体が鉄棒に近づき、逆上がりを達成することができたことが観察された。 以上より、児童が逆上がりを達成するためには、逆上がりの学習に先立って足抜き回りや前回り下りを学習し、より良い動きでできるようになることが望ましいこと、単元はじめに基礎的な力・感覚を身に付ける動きが十分に身についていない児童であっても、同時に学習することで逆上がりの達成につながる可能性があることが示唆された。
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