2019 Fiscal Year Research-status Report
幼児における足の発育に特化した足と靴の健康教育プログラムの開発
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19K20087
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Research Institution | Kinjo University |
Principal Investigator |
小島 聖 金城大学, 医療健康学部, 准教授 (30454242)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 足趾 / 靴 / 教育 / 浮き趾 / 足部形態 / 活動量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、幼児における足の発育を促進させるための足趾運動プログラムの開発と、靴の選び方や履き方の教育プログラムを開発することを目的としている。具体的には、足の発育に効果的な足趾の運動プログラムを実践してその効果を検証すること、適切な靴を選ぶ方法や履き方を教授し靴の適合判定が可能となる教育プログラムを開発することである。 2019年度は、足趾運動プログラムおよび適切な靴選びや履き方指導の介入前のベースライン作成を行った。対象は市内の幼稚園、こども園に通う幼児250名、小学生262名、中学生11名、高齢者682名とした。方法は、足裏バランス測定装置(Foot Look)を用いて、足長、足幅、母趾角、小趾角、開帳角、足底接地面積、バランス比、浮き趾の有無を評価した。また、幼児を対象に活動量計(fitbit ace2)を用いて1日あたりの活動量、歩数を測定した。靴選びと履き方指導については、アンケート形式で回収および実践方法で直接確認した。また、保護者には測定結果と適切な靴選びや履き方、選び方の資料を配布し、保護者や保育士等からの質問や相談を常時受け付けた。 本年度の研究成果から、適切な大きの靴を履いている幼児は約4割であり、年齢とともに足の実測よりも大きい靴を履く傾向が得られた。大きい靴を履く対象者は、適切な大きさの靴を履く対象者よりも有意に浮き趾の発生率が高かった。しかし、母趾の外反や小趾の内反、足部アーチの形成については有意な差は認められなかった。幼児の活動量は1日あたり約7,000~17,000歩と個人差が大きい傾向が得られた。 保護者や保育士からの質問の多くは、適切なサイズを選ぶ基準がわからないことや正しい靴の履き方がわからないといった内容であり、アクティブラーニング形式で教授することにより好評を得た。 今年度の研究成果の一部は学会で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
縦断的調査のベースライン作成が当初の計画通り実施できた。幼児の対象者は予定よりも少なくなったものの、児童や高齢者の調査も実施することができたため、年代間の比較検討にも使用出来るベースラインが作成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は縦断的調査の中間評価および足趾運動プログラムの実践と効果検証を行う予定である。対象と方法は前年度と同様とし、前年度との結果を比較して保護者や保育士等にフィードバックを行う。活動量の測定については、前年度よりも対象者数を増やして実施する予定である。適切な靴選びや履き方指導の講座については継続して実施するとともに、オンライン化を検討する。足趾の運動プログラムについては、幼児が毎日実施可能な運動を考案して実践する予定である。これらの効果検証を行い、当該年度内の研究成果は学会報告および論文化を行う。 新型コロナウイルス感染症の影響により、今年度の測定や対面での指導について実施可能か現段階では不透明である。政府や県知事の要請および所属機関の感染対策、安全管理体制を踏まえ、実施方法の全面的な変更が必要となる場合も想定される。当初の予定通りに実施が困難な場合は、頻度や対象者数、測定環境の見直しを行い、安全かつ質の高い研究成果が得られるよう修正しながら実施する予定である。
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Causes of Carryover |
当初の予定では三次元足型計測器を購入する予定であったが、価格の問題、対象者人数の問題などから、購入機器を変更したため次年度使用額が生じた。 次年度使用額は、測定実施にかかる衛生用品等の物品費や旅費、学会参加費として使用する予定である。
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