2019 Fiscal Year Research-status Report
児童期における「急激な減速と加速を伴う方向転換走能力」の縦断的な発達過程
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19K20088
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Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
内藤 景 福井工業大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (60757558)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 方向転換走能力 / COD Deficit / 縦断的発達 / 疾走能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、児童期における方向転換走能力の縦断的な発達の特徴を明らかにすることであった。児童期後期にあたる9歳~12歳の男児を対象に、各年代における方向転換走能力、疾走能力、跳躍能力の1年後の変化を評価した。9歳から10歳の変化は男児7名、10歳から11歳の変化は男児22名、11歳から12歳の変化は男児18名を対象者とした。測定項目は身長・体重、505方向転換走テストのタイム(CODタイム右/左)、10m走タイム、20m走タイム、カウンタームーブメントジャンプ(CMJ)の跳躍高、リバウンドジャンプ(RJ)のRJ指数、CODタイムから10m走タイムを差し引いたCOD Deficit(右/左)であった。このCOD Deficitは疾走能力の影響を除外した方向転換能力の指標とした。年代ごとに対応のあるt検定を行った。その結果、以下のことが示された。 ・9歳から10歳の変化(男児7名):[有意な増加]身長、体重、CMJ跳躍高、RJ指数、[有意な低下]10m・20m走タイム、CODタイム(右/左)、[有意差なし]COD Deficit(右/左) ・10歳から11歳の変化(男児22名):[有意な増加]身長、体重、COD Deficit(左)、[有意な低下]20m走タイム、[有意差なし]CMJ跳躍高、RJ指数、10m走タイム、CODタイム(右/左)、COD Deficit(右) ・11歳から12歳の変化(男児18名):[有意な増加]身長、体重、CMJ跳躍高、COD Deficit(左)、[有意な低下]10m・20m走タイム、[有意差なし]RJ指数、CODタイム(右/左)、COD Deficit(右) 以上の結果から、9歳から10歳では方向転換走能力、疾走能力、跳躍能力は身体の発育に伴い向上すること、10歳から12歳では疾走能力は発育に伴い向上するものの、方向転換走能力には変化がみられず、方向転換能力(COD Deficit)のみに着目すると低下していることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各年代について約20名ほどの縦断データを収集することができ、1年後の方向転換走能力の変化を検証することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策としては以下のことが挙げられる。 ①2年間の変化を検討できるように、2019年度と同じ対象者のデータを収集すること、②方向転換走能力が向上した子どもと、低下した子どもに分類してその要因を検証すること、③要因として形態(身長・体重)の変化、疾走能力の変化、方向転換時の接地時間に着目して研究を推進していく予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していたスポーツクラブでの測定が、クラブの都合で中止になってしまったため、実験が中止になり、謝金の使用額が当初の予定よりも少なかったため。次年度も、同様の測定を行うため、その実験の謝金や学会発表の旅費で使用する予定である。
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