• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2022 Fiscal Year Research-status Report

Positional Control in Playing Keyboard Instruments of Various Sizes and Directions

Research Project

Project/Area Number 19K20095
Research InstitutionMukogawa Women's University

Principal Investigator

大澤 智恵  武庫川女子大学, 音楽学部, 准教授 (90726093)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2024-03-31
Keywordsピアノ / ショルダーキーボード / 視覚 / 聴覚 / 触覚 / 打鍵位置制御 / 体性感覚 / 鍵盤
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、演奏者との空間的位置関係、サイズや演奏時の演奏者にとっての角度、そして演奏に使用する身体運動が大きく異なる、さまざまな鍵盤楽器における、演奏しようとする音の打鍵を可能にする知覚認知の役割を検討することを目的としている。
当該年度には、前年度より改善があったものの引き続き学内業務・授業による負担が大きく、研究補助者を雇用したり、研究指導学生との連携の中で工夫しながら研究を進めた。この研究プロジェクトの中で当該年度の最も重要な進捗は、ショルダーキーボード演奏における視覚・聴覚・触覚情報の役割に関する実験とその結果の解析を遂行することができたことである。特に、これまでに試行錯誤を重ねながらも触覚情報の役割をコントロールした実験条件の設定に苦慮していたところ、研究指導学生のアイデアにより、触覚情報の役割を制限した実験条件を含む実験計画を作成することができたことで、実験の遂行とデータの取得が可能となった。彼女との共同研究の形で解析を進め、現在はその成果を国際会議で発表する準備を進めるとともに、論文執筆を進めている。
また、ピアノ演奏において、特に指が届かないなどの身体的な制約を解消し、より打鍵位置コントロールへの注意を確保することに貢献すると思われるペダリングに注目した、手の大きさや柔軟性と演奏の特徴の関連についての実験研究も研究指導学生との連携のもとに行った。ここで得られた成果は、ピアノ演奏における打鍵位置制御の前提にある身体的な条件の影響の詳細情報として、今後研究成果をまとめる際に参照していきたいと考えている。
また、電子マリンバを用いた、大型鍵盤楽器での各種情報の役割に関する実験についても、学生との連携のもと準備が整った。翌年度の前半に実験データを集めていきたいと考えている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

前年度は「4:遅れている」状況であったが、本プロジェクトの最終年度であった当該年度には研究補助者の雇用と、研究指導学生との連携の中で、本プロジェクトの中核をなす実験の一つを遂行・解析し、また、もう一つの実験の準備も終えることができた。それらの研究成果のとりまとめとアウトプットはこれからである。期間延長により、国際会議での発表や論文執筆・出版を進めていく必要があるため、「3:やや遅れている」と判断した。

Strategy for Future Research Activity

ショルダーキーボードを用いた小型鍵盤楽器の演奏における知覚情報の利用については実験の遂行とデータ取得が完了したため、今後は考察を進めるとともに研究発表、論文執筆を行っていきたい。また、電子マリンバを用いた大型鍵盤楽器における知覚情報の利用についての実験を遂行し、成果をまとめるほか、以前のピアノでの知覚情報利用に関する実験において十分にコントロールできていなかった体性感覚情報の有無を操作する実験条件を補った実験を再度行い、大中小さまざまなサイズ・角度・奏法での鍵盤楽器での打鍵位置制御に用いられる知覚情報の役割についての総合的な考察を進め、スキルにおける鍵盤楽器演奏における打鍵位置制御機構に共通するしくみや、各種鍵盤楽器にスペシフィックな要素についての知見をまとめ、成果を発表していきたいと考えている。

Causes of Carryover

電子マリンバ及び電子ピアノでの実験の準備が完了したものの、その実施、また、それらに関する論文の投稿やこれまでの成果の発表を次年度に行うため、次年度使用額が生じた。実験参加者謝礼、論文の投稿費、研究補助者の雇用にあてる予定である。

  • Research Products

    (6 results)

All 2023 2022 Other

All Journal Article (3 results) (of which Open Access: 1 results) Presentation (1 results) Book (1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] 空間/身-音を結びつける演奏技能と知覚認知2023

    • Author(s)
      大澤 智恵, 郭 霞, 山下 雅俊, 積山 薫
    • Journal Title

      音楽心理学研究会論文集

      Volume: 15 Pages: 15-18

  • [Journal Article] 【解説】コロナ禍での音楽音響や音楽知覚認知の研究・教育の工夫2022

    • Author(s)
      谷口 高士, 若槻 尚斗, 大澤 智恵, 三浦 雅展, 正田 悠, 藤瀬 明子
    • Journal Title

      音楽知覚認知研究

      Volume: 28 Pages: 45-60

  • [Journal Article] オンライン演奏から「あわせる」を考える2022

    • Author(s)
      藤原 諒子, 安岡 志歩, 大澤 智恵, 正田 悠
    • Journal Title

      ヒューマンインタフェース学会誌

      Volume: 24(4) Pages: 8-13

    • Open Access
  • [Presentation] ピアノ演奏における手指のサイズ・柔軟性と音の持続感を保つための方略の関連:打鍵とペダリングのMIDI情報からの検討2022

    • Author(s)
      山口 萌恵, 大澤 智恵
    • Organizer
      日本音楽知覚認知学会2022年度秋季研究発表会 日本音響学会音響研究会2022年10月研究会(オータムセミナー)
  • [Book] よくわかる音楽教育学(第8章「知覚と感受」を執筆)2023

    • Author(s)
      大澤智恵 他(小川昌文, 田邊 裕子,戸谷登貴子,田中路,清水稔 編著)
    • Total Pages
      266
    • Publisher
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      978-4-623-09489-9
  • [Remarks] 大澤 智恵 (Chie OHSAWA) - マイポータル(researchmap)

    • URL

      https://researchmap.jp/ohsawach

URL: 

Published: 2023-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi