2022 Fiscal Year Annual Research Report
幼児の体力・運動能力の発達を促す新しいジャンプ運動プログラムの開発
Project/Area Number |
19K20100
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Research Institution | Seiwa Junior College |
Principal Investigator |
坂口 将太 聖和短期大学, その他部局等, 准教授 (10747231)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 発育発達 / 伸張-短縮サイクル運動 / 運動介入 / 疾走能力 / 調整力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、基礎的な運動能力である跳躍能力、疾走能力および調整力を効果的に発達させるための方策として、幼児期のリバウンド型ジャンプの発達過程およびその特性に基づく運動プログラムを開発することが目的であった。その過程で、PDCAサイクルを利用し、各年齢・発達段階に合わせたより効果的な運動内容への改良を検討した。 2022年度は、前年度の介入実験の結果を踏まえて運動プログラムの内容に変更を加えて、再度介入実験を行った。前年度に実施した内容について、研究協力先の保育者から子どもの様子などを聴取した際に、子どもの体力や集中力の持続が難しい点、運動の負荷や難易度が一定である点について指摘を受けて、各クラスにおける実施時間および難易度を変更した。 3歳クラスでは、実施時間を短くし、1度に実施する種目を減らした。加えて、種目を曜日ごとに組み替えて実施した。4歳、5歳クラスでは、実施時間を短くした。それと併せて、4歳クラスでは、2つの難易度から1つを選択して取り組むことのできる種目を設定して実施した。 その結果、3歳クラスにおいては、平衡性、巧緻性および敏捷性に関する種目において有意な向上が認められた。4歳、5歳クラスにおいては、敏捷性に関する種目において有意な向上が認められた。 これらのことから、RJに類似した跳躍運動によって幼児の調整力を向上させられる可能性が示された。特に、敏捷性に対する効果が顕著であることが示された。また、3歳クラスにおいては、運動発達が未分化な状態であることも影響して、平衡性、巧緻性および敏捷性、いずれの種目においても効果が顕著であった。 以上のことに併せて、幼児の体力・運動能力を高める運動プログラムを実施していく際には、プログラムを構築して実施するだけてはなく、PDCAサイクルを利用して改良していくことでより効果的なプログラムになることが示された。
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