2020 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病におけるテーラーメイド型食事栄養指導の開発のためのデータベース構築と解析
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19K20108
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長谷川 陽子 東京大学, 医学部附属病院, 主任栄養士 (30837638)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 肥満 / サルコペニア / 食事療法 / データベース研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の糖尿病患者の高齢化や食習慣の多様化に伴い、「食品交換表を用いた適切なエネルギー管理」や「腎機能低下に対するたんぱく質制限」といった従来の画一的な食事栄養指導では十分な指導が困難となっている。そこで、本研究課題では、個々の患者のライフステージや食習慣に応じた、テーラーメイドの食事療法を可能にするための食事栄養指導アルゴリズム開発を最終目標としてデータベースを用いた臨床研究を実施することを計画した。 今年度は、まず、臨床、食習慣、栄養摂取量等の情報をそれぞれ蓄積するサブデータベースを設計および作成した。さらにこれらのサブデータベースを突合するプログラムを作成し、すべての情報を統合した糖尿病患者の臨床・食事に関する情報をデータベース化するシステムを構築した(研究1)。 研究倫理委員会からの承認を経て、研究1で構築したデータベースから必要な情報を抽出し、データクリーニングを行った上で、約500人の糖尿病患者における食事療法の実態を把握すべく解析を行った(研究2)。その結果、糖尿病患者における食事療法には性差や年齢による違いがあり、コンビニを活用した食事療法など、その実態は多様化していることが明らかとなった。また、日本人糖尿病患者における食習慣の違いが、脂質代謝異常や肥満に関連している可能性も示唆された。今後、これらの結果をまとめ、日本人糖尿病患者における食事療法の実態について論文化を目指していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度の進捗目標としていた「糖尿病患者の臨床・食事に関する情報のデータベースの構築」(研究1)が完了した。具体的には、まず臨床、食習慣、栄養摂取量等の情報をそれぞれ蓄積するサブデータベースを設計及び作成した。さらにこれらのサブデータベースを突合するプログラムを作成し、すべての情報を統合した糖尿病患者の臨床・食事に関する情報のデータベースを構築した。さらに、研究倫理委員会からの承認を経て、構築したデータベースから必要な情報を抽出し、糖尿病患者における食事療法の実態調査(研究2)について解析を行い、学会発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度には、これまでの研究結果についての論文化を進めていくとともに、腎機能障害とサルコペニアを併発する高齢糖尿病患者における最適な食事療法の検討(研究3)についての解析を進める。また、得られた研究成果を臨床応用へつなげるため、得られた研究結果をもとにテーラーメイドの食事栄養指導アルゴリズム立案のための検討をすすめていく予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症への感染予防対策のため、診療体制の変更や研究の自粛要請等により一部計画通りに研究を遂行することが困難になったため。昨年度使用予定であった項目については今年度使用予定である。
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