2019 Fiscal Year Research-status Report
エピジェネティックな発現制御に基づく加齢性白内障発症メカニズムの解明
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19K20111
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
井波 真弓 福井大学, 工学部, 技術職員 (20816839)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 白内障 / エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
糖白内障発症モデルを用いたメカニズム解明を目的とし、以下の研究を行った <Ⅰ>ラット水晶体をガラクトース及び阻害剤を含む培地に浸け解析を行った。阻害剤の有無で培養した水晶体から RNA を抽出し、マイクロアレイ解析を行った。 <II>薬剤により発現量が大きく変動した遺伝子を抽出するために、統計分析フリーソフト「R」を用いてマイクロアレイにより得られたシグナル値について統計処理を行う。様々な薬剤の添加によって発現変動した遺伝子を比較し、白内障発症に関与する遺伝子(候補遺伝子)を抽出した。 <III>マイクロアレイ解析では正確な定量が出来ないため、II で選別された候補遺伝子の発現量をリアルタイム PCR を用いて測定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2019年9月より育児休業を取得しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
育児休業終了後は、引き続き ① 糖白内障発症モデルを用いたメカニズム解明を進める。そして ② モデル実験としてラット水晶体培養系およびモデル動物を用いて、5つの白内障発症要因(紫外線、酸化ストレス、DNA 損傷、遺伝、老化)それぞれについて、白内障発症の分子メカニズムを明らかにする。さらに、③ ヒトの加齢性白内障サンプルにおける発現変動遺伝子の解析…福井大学医学部眼科学教室との共同研究により、加齢性白内障患者の手術時に採取したサンプルを用いる。①および②のモデル実験により抽出した候補遺伝子について、ヒト加齢性白内障でも発現変動が見られるかリアルタイム PCR により確認する。④ これら①から③の研究結果を総合し、5つの白内障発症要因に共通して発症の原因となる遺伝子を見出す。これにより、老化を基に複数の因子が絡んで発症する加齢性白内障の発症にいたる分子メカニズムの総合的理解を目指す。
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Causes of Carryover |
端数が生じたため。
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Research Products
(1 results)